盆踊りなど日本伝統の「風流踊(ふりゅうおどり)」が11月30日、ユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まりました。東海3県からも岐阜の「郡上踊」などが選ばれ、地元では喜びの声があがりました。

 30日、モロッコで開かれたユネスコ政府間委員会。盆踊りなど日本伝統の「風流踊」が、無形文化遺産に登録されることが決まりました。

 地元の2つの踊りが対象となった岐阜県郡上市では、地元のホールに詰めかけたおよそ200人が歓喜に沸きました。

 日本3大盆踊りで400年以上の歴史を誇る「郡上踊」。お盆の4日間に行われる「徹夜おどり」は、踊り子の輪が幾重にも重なり壮観を極めます。

 そしてセレモニー会場で披露されたのは、もう一つ選ばれた「寒水の掛踊(かのみずのかけおどり)」。郡上市の明宝寒水地区でおよそ300年にわたって受け継がれる祭礼行事で、クライマックスでは若者が長い竹製の花飾りを背負って勇壮に舞います。

寒水掛踊保存会の会長:
「本当に皆さまのおかげだと思っております。郡上市明宝寒水に明るい兆しがかえってきたと解釈しております」

 東海3県からはあわせて4つの踊りが無形文化遺産に選ばれ、その1つに入ったのが三重県伊賀市「勝手神社の神事踊(かってじんじゃのしんじおどり)」。

 伊賀市の勝手神社に江戸時代から伝わる神事踊。雨乞いや悪疫退散を願い「オチズイ」と呼ばれる花飾りを背負った男性たちが、太鼓や歌に合わせて踊る伝統行事です。

 その勝手神社では30日夜、保存会のメンバーが社務所に集まり、喜びに沸いていました。しかし一方で、無形文化遺産になったプレッシャーも…。

勝手神社の神事踊保存会の岡森さん:
「(無形文化遺産登録は)重責の方が大きいんじゃないですか。それは喜びもありますけれども、これからずっと続けていかないといけないというのがあります」

 少子化や過疎化で地域の子どもが減っているほか、新型コロナの影響で踊りの規模を縮小するなど、その伝承が課題になっているといいます。

勝手神社の神事踊保存会の山中会長:
「地域の皆さんが一丸となって、絶対に絶やさぬように継承していきたいと思っております」

※画像は三重県提供