名古屋入管の施設でスリランカ人女性が死亡した問題を巡る裁判で、女性の収容中の映像を国がおよそ5時間分提出することになりました。

 スリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)は2021年3月、収容されていた名古屋入管の施設で体調の悪化を訴えて死亡し、その後、遺族が必要な医療を提供せずに死亡させたとして、国に損害賠償を求める訴えを起こしていました。

 これまでの裁判で、国側は遺族らが求める収容中のウィシュマさんの様子を映した映像の提出を拒んできましたが、2022年9月、名古屋地裁が映像を証拠として提出するよう国に対し勧告していました。

 12日の第4回口頭弁論で、国側はおよそ5時間分の映像を年内に提出すると回答しました。

遺族側の指宿弁護士:
「ウィシュマさんの事件の真相を社会に対してはっきりと伝える、そういう役割も持っていると思います。何らかの形で社会的にも誰もが見られる状態にしていきたい」

 次回の裁判は2023年2月15日に開かれます。