“日の丸ジェット”の夢は幻となりました。三菱重工は7日に開いた決算会見の中で、愛知県豊山町などで進められていた「スペースジェット」の開発事業から完全に撤退することを正式発表しました。

 すでに2020年10月に、「いったん立ち止まる」という表現で開発の凍結を表明していましたが、開発には技術の見直しや、さらに巨額の資金が必要なことなどから、「事業性が見通せない」ことを理由に挙げています。

 スペースジェットは、2008年に「三菱リージョナルジェット」として事業化したものの、設計変更などを繰り返し、これまでに6度納期を延長していました。

 撤退表明を受け、航空・宇宙産業を「自動車産業に並ぶ」と位置づけてきた愛知県の大村知事は、「スペースジェット量産に向け先行投資したサプライヤーに対し、三菱重工には丁寧な対応をお願いしたい」としています。

【動画で見る】三菱重工が“スペースジェット”の開発から撤退発表 愛知県知事「先行投資したサプライヤーに丁寧な対応を」