愛知県愛西市で新型コロナワクチンの接種後に40代の女性が死亡してから、およそ3カ月が経ちました。原因究明をと訴え続ける夫に、調査委員会がヒアリングを実施しました。

 10日朝、愛西市に住む飯岡英治さん(45)が名古屋大学医学部附属病院を訪れました。

飯岡英治さん:
「僕のヒアリングを行うということなんで今日来ました。妻が日頃どうだったかということを聞きたいのかなと思うので」

 およそ3カ月前に42歳で亡くなった最愛の妻・綾乃さんについて、医師らからおよそ1時間にわたるヒアリングを受けました。

【動画で見る】最愛の妻がワクチン接種後に死亡…原因究明求める夫に調査委がヒアリング「必要だと思われることは言えた」

 綾乃さんは2022年11月、愛西市の集団接種会場で新型コロナワクチンを接種すると、5分後に容体が急変しました。綾乃さんは息苦しさを訴えましたが、治療薬を投与されないまま心肺停止となり、搬送先の病院で死亡が確認されました。死因は急性心不全でした。

飯岡英治さん:
「この薬を打ってもない、ちゃんとした処置もしてない、見殺しにした」

 その後、県の医師会が独自の検証結果をまとめましたが、当時の接種会場における体制の問題を指摘した一方、病態は解明されませんでした。飯岡さんも市などに情報公開を求めましたが、開示された資料はほぼ黒塗りでした。

飯岡英治さん(2022年12月):
「ただ妻が何で亡くなったかを知りたいだけなんだよ。ずっとそうやって言っとるんだよ。何を隠すことがあるの」

 2022年12月、愛西市は医師や弁護士ら第三者で構成する「医療事故調査委員会」を立ち上げました。そして10日、飯岡さんへのヒアリングを実施。綾乃さんの人柄や日頃の生活習慣、また当日に飯岡さんが見聞きしたことなどを、予定より20分ほど延長し詳しく聞き取ったということです。

飯岡英治さん:
「必要だと思われることは言えたんじゃないのかなと思います」

 綾乃さんが亡くなって、およそ3カ月。

飯岡英治さん:
「すごくシャイな感じの子だったので、僕が今こういうふうにやっていることを、彼女は本当に望んでくれるだろうかとか、そういうことを常に思っていますね。家の中で(妻が)一番最後に触ったものが、たぶんこのカレンダーだと思うんですね。ここからどうしても進めることができなくて、ずっと(亡くなった)5日のままで」

 壁にかけられた日めくりカレンダーは、あの日のままです。