愛知県は17日、一般会計が3兆円近くにのぼる2023年度予算案を発表しました。過去最大の予算規模ですが、その中には幼稚園の教員の負担軽減に向けた新制度の予算が盛り込まれました。キーワードは「非常勤の外部スタッフ」です。

大村愛知県知事:
「飛び上がるウサギのように愛知をさらに飛躍させていただくという思いを込めまして、2023年度・新年度の予算は『跳躍飛躍予算』と命名して編成させていただいた」

 17日に発表された愛知県の2023年度予算案。一般会計の総額は2兆9657億円で、4年連続で過去最大になりました。

 2023年度に追加オープンする予定のジブリパークの新エリアや、スタートアップ企業の支援拠点の整備など大型プロジェクトの費用が計上されましたが、予算案には幼稚園を巡る県独自の新規事業「私立幼稚園の外部スタッフの拡充」が盛り込まれました。

大村愛知県知事:
「通園バスで子供たちが置き去りにされるという痛ましい事故・事案がありました。そういったことが2度と起こらないように、人員の配置・整備、そうしたことにしっかりと目配せをしていければ」

 私立幼稚園の教員の負担を減らすため、外部スタッフの配置に補助金を支給するという県独自の新規事業です。

 外部スタッフとはどのような人が対象なのか、幼稚園の現場を訪ねました。

【動画で見る】独自の『私立幼稚園の外部スタッフ拡充』等…愛知県が過去最大規模の2023年度予算案発表 知事「跳躍飛躍予算」

 名古屋市東区の名古屋文化幼稚園。預かり保育の時間、子供たちにおやつを配る女性と、英語でコミュニケーションを取る外国人スタッフの男性、この2人は幼稚園の教員免許を持たない非常勤の外部スタッフです。

外部スタッフの外国人男性:
「子供たちとの時間はとても楽しいです。少し英語も話して、いつも朝は『グッドモーニング』と挨拶をしています」

 愛知県の新規事業では、こうした外部スタッフの配置について、私立幼稚園に年間最大で90万円の補助金を支給します。

 対象となるのは、幼稚園バスの添乗員や預かり保育のスタッフのほか、英語や体育の指導員などの外部スタッフです。正規の教員の負担を減らすことで、幼稚園バスでの置き去りを防ぐなど、園児の安全や教育の充実などに繋げる狙いがあります。

学校法人名古屋文化学園の加藤理事長:
「やはり子供たちの安全を確保しようと思うと、この間のバスの事故ではないですが、色々と苦労や手間がかかりますので。これらの免許がなくてもできる部分についてやってくれることによって、教員の負担軽減、これは大変大きな効果があります」

 県はこの制度の費用として3億8000万円余りの予算を計上しました。2023年度予算案は、2月22日から開かれる2月定例議会で審議されます。