生活保護費の引き下げは憲法違反だとして、愛知県の受給者らが引き下げ取り消しなどを求めていた裁判で、名古屋高裁は全国で初めて国に賠償を命じました。

 愛知県内の受給者13人は、2013年から3年間で最大10%の生活保護費引き下げは、生存権を保障した憲法に違反しているとして、国とそれぞれが住む自治体に取り消しと慰謝料を求めていました。

 名古屋高裁は30日、基準改定について「専門的知見との整合性を欠き、厚生労働大臣の裁量権の範囲を逸脱している」「受給者らは9年以上にわたり、余裕のない生活を強いられていた」などとして、引き下げの決定を取り消し、国に賠償を命じました。

 全国29カ所で生活保護費引き下げを巡る同様の訴えが起こされていますが、国に賠償を命じた判決は初めてです。

【動画で見る】国に全国初の賠償命令…「生活保護費引き下げは憲法違反」と愛知の受給者らが取消等求めた裁判 名古屋高裁