岐阜県美濃加茂市で、ヤギが雑草の新芽を食べて除草する活動が重宝されています。

 美濃加茂市の「ぎふ清流里山公園」で飼育されているヤギたちはこの日、トラックの荷台で約10分揺られ、桜の綺麗な「さくら広場」へ。

 広場に放たれると、一心不乱に草を食べ始めました。これが今回のヤギたちの「仕事」です。

ヤギを飼育するフルージックの渡辺祥二さん:
「全国いろんな緑地帯を抱えて、困っている場所があれば『ヤギさん除草隊』と」

 その名も「ヤギさん除草隊」。雑草の新芽を食べることで、人の代わりに除草をしているのです。

 人間が除草する場合、人件費や刈り取った草の焼却処分など、費用も環境への負荷も掛かります。

「ヤギさん除草隊」は、雑草を食べたらお腹で消化してくれるので、コストは3分の2ほどに抑えられるといいます。

 こうしたメリットもあり、美濃加茂市から委託を受けて2011年から活動しています。

 崖の上でも生活できるヤギにとっては、急斜面も問題はありません。個体差はありますが、ヤギは1頭あたり1日5kgから10kgほどの草を食べるといい、除草を任せるにはうってつけです。

 この日は、2023年の春に生まれた子ヤギ15頭も初めて除草隊に参加しました。まだ小柄ですが、大人に負けじと食べていました。そして除草もそこそこに走り回っているヤギもいましたが、これも大事なことだといいます。

フルージックの渡辺祥二さん:
「ヤギさんたちが草とかを踏むという行為もすごく重要なポイントです。そういった部分でも除草の緑地管理ができています」

 踏みつけられて細かくなった枯れ葉などが吸収され、良い環境の土が育つといいます。

 人にも環境にも優しい『ヤギさん除草隊』は11月末まで除草に困っている場所で活動する予定です。

【動画で見る】コストは人間の3分の2ほど…環境にも優しい『ヤギさん除草隊』1頭当たり1日5-10kgほど食べ打ってつけ