コメの価格が記録的に高くなっていますが、2024年の収穫量は前年を上回っています。なぜ高値が続くのか、農業ジャーナリストの松平尚也さんに聞きました。

 農林水産省によると、コメ5kgの小売価格の推移は、2024年夏ごろから価格が上がりはじめ、新米の季節を過ぎても止まらず、2025年2月はこれまでで最も高い3688円となっています。

 2024年の全国のコメの収穫量は679万トンで、2023年より18万トンも増えています。ところが、JAなど主な集荷業者が生産者から集めたコメは、2023年より21万トン減少しています。これがいわゆる「消えたコメ問題」です。

 “なぜ消えたのか”について、農業ジャーナリストの松平尚也さんによると、通常、農家が出荷したコメはJAなどの集荷事業者、卸売り業者、さらにはスーパーや米屋さんといった小売りに卸され、私たち消費者に届きます。

 しかし、高く売れるとみた「転売」や「投機目的」の業者らが参入して、大量の在庫を抱えているとみられています。そのため品薄で価格が高騰しているというわけです。

 そこで政府は、「流通を安定させる目的」としては初めて、備蓄米を放出することとなりました。

【動画で見る】転売や投機目的で大量在庫の見方も…『消えたコメ問題』備蓄米放出で流通の安定なるか 2月は5キロ3688円