名古屋の夏の風物詩「にっぽんど真ん中祭り」は新型コロナウイルスの影響で2021年は、無観客のステージとオンライン配信をあわせた開催となりました。

 4年前からど真ん中祭りに参加している50歳の男性は、去年12月に悪性リンパ腫を発症し、手術後に抗がん剤治療が数か月続きましたが、リハビリを乗り越えて再びステージに立ちました。

■過去最多の438チームが参加…オンラインとリアルの「ハイブリット」での開催

 8月26日から29日まで開催された第23回「にっぽんど真ん中祭り」は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、オンライン配信と名古屋・栄の久屋大通公園での「無観客ステージ」との「ハイブリット」開催となりました。

【画像15枚で見る】悪性リンパ腫を克服し再び立ったステージ 支えてくれた仲間と共に復活の演舞へ

 今年は過去最多の438チームが参加。オンラインでは、各チームが地元をテーマに制作した動画を審査しました。

■苦しい日々の支えとなったのはチームの仲間たち…ガンから生還した男性

 どまつりの参加者、矢野健治さん(50)は、4年前から「ペプシ怪物舞踏団」というチームで活動しています。

矢野健治さん:
「これは、どまつりのメンバーからもらった色紙です。これ(写真)が出場前に撮ったやつ…」

 矢野さんは去年12月に悪性リンパ腫を発症し、手術で摘出したものの抗がん剤治療が数か月続きました。

矢野さん:
「副作用が20個くらいあるので…。それが日に日に襲ってくる」

 副作用とリハビリに苦しむ日々の支えとなったのは、どまつりで出会った仲間でした。

矢野さん:
「『また一緒に踊りましょう』みたいなメッセージもLINEもたくさんいただいて。あのステージって格別なんですよね。またあの場に戻りたいと思って…」

「あのステージに立ちたい」。今年5月に寛解した矢野さんはリハビリも乗り越え、この夏のステージに参加できることになりました。

仲間に元気になった姿を見てもらいたい…。矢野さんは本番に向け練習を続けました。

■手術から8か月…仲間と共に踊る復活のステージ

 まつり当日。入場は1チームごとで、手指の消毒と検温に加えて全身と靴裏まで徹底消毒。さらに2週間分の健康チェックシートを提出してやっと入場することができます。

 会場に姿を現した、悪性リンパ腫を克服した矢野さん。

矢野さん:
「体調ばっちりです。この日が来るのだけをモチベーションに頑張ってきたので、悔いがないようにしっかりと踊りたいなと」

 手術からおよそ8か月。矢野さんは、仲間と共に復活のステージを踊りました。

矢野さん:
「12月末とか1月の病気の時を考えたら、よくぞここまで来れたなと」

矢野さんと同じチームのメンバー:
「すごいですよね。全然期間たってないのに、よくぞここまで」

矢野さん:
「なんかもうあっという間でしたけど…。仲間との絆をすごく感じたステージでしたし、ようやく自分が治ったんだなと…」

「この状況下で踊る場を作ってくれて感謝」と話す矢野さん。来年はもっとパワーアップして踊りたいと目を輝かせていました。