好きが高じて「作ろうか」と意気投合…二人三脚で客に届ける『クロワッサン』移動販売から約1年で常設店へ
名古屋市中区に行列ができるクロワッサンの専門店がオープンしました。この店は、去年から愛知県尾張旭市で行っていた移動販売で人気になった店の常設店です。
外はパリっと中はモチっとした定番のクロワッサンをはじめ、名古屋コーチンの卵のサラダを挟んだご当地クロワッサンまで…。バリエーション豊富なクロワッサンでたくさんの人に笑顔を届けます。
■使う素材がシンプルなだけに…クロワッサンは「職人の腕が試されるパン」
名古屋市中区の白川公園の近くにオープンした、クロワッサン専門店「ジョリークロワッサン」。ショーケースには、チョコやチーズを使ったものなど焼きたてのクロワッサン20種類が並びます。
女性客:
「おいしそうって、食べたいって思いました」
男性客:
「バリエーションが豊かで、見ているだけで満足します」
【画像で見る】二人三脚で客に届けるバリエーション豊富な『クロワッサン』移動販売から常設店へ
パンを焼くのは、洋菓子メーカーで20年間パティシエとして働いてきた店長の兒玉智則さん。兒玉さんが作るクロワッサンは、外はパリっと中はモチっとした香り豊かな味わいが特徴です。
兒玉さん:
「使っている素材がシンプルなので、“職人の腕が試される”難しいパンだと思います」
そして、接客を担当するのが副店長の日比野由美子さん。兒玉さんと日比野さんは、二人三脚で店を切り盛りします。
■断面を均等にしてサクサク感を演出…パティシエ歴20年の職人の技
オープン当日の朝6時。厨房には、兒玉さんの姿が…。
兒玉さん:
「食べたときに外はサクサクしていて、中はモチモチしているのを目指しているので」
一晩寝かせた生地に北海道産の無塩バターを合わせたら、薄く伸ばしていきます。
兒玉さん:
「バターが溶けないように、なるべく手早くやらないときれいな層が出ないので。バターと生地の層、18層ですね」
クロワッサンは、サクサクとした歯触りとほのかな甘みが命。独特の食感を出すには、断面を均等にするのが大切だといいます。
シンプルでごまかしが効かないため、クロワッサンは本場フランスでは“職人の腕が試されるパン”といわれています。
生地を切り分けると手際よく丸め、艶出しの卵黄を塗ってオーブンへ。190度で16分焼き上げると完成です。
■専門店ならではの豊富なバリエーション…オープンの目玉は「名古屋コーチンのクロワッサン」
見た目も美しい「クロワッサン」(260円)は、食べるとバターの芳醇な香りが口の中に広がります。
他にも、3種類のチーズを使った「チーズクロワッサン」(300円)に、ビターテイストの「チョコクロワッサン」(290円)…。
あらびきソーセージを包んだ「ソーセージクロワッサン」(390円)に、「カスタードクロワッサン」(390円)…。
「グラタンクロワッサン」(280円)など、ショーケースには専門店ならではの種類豊富なクロワッサンが並びます。
そして、オープンの目玉として考案されたのが、「名古屋コーチンのたまごクロワッサン」(430円)。名古屋コーチンの卵で作った濃厚なサラダを贅沢に挟んだ逸品です。
日比野さん:
「濃厚で卵の風味が強くて、加えてこのクロワッサンが引き立てている感じで…。すごくふたつがマッチして」
■開店前にすでに行列が…SNSなどで事前にオープンを知った客で盛況
オープンの午前10時前には、すでに店の外には行列が…。
男性客:
「インスタグラムに投稿が出ていたので」
別の男性客:
「グーグルで検索して、ここがオープンするって…」
午前10時オープン。用意したクロワッサンが、次々に売れていきます。
女性客:
「全部食べたいなって思うくらい見栄えがよくって」
別の女性客:
「パン屋さんに行っても、クロワッサンは3種類くらいしかないけど、色々あるからすごく楽しめます」
男性客:
「ランニングのコースなので…。すごく楽しみにしていて、朝イチで来ました」
SNSなどで事前にオープンを知り、楽しみにしていた人も多くいました。あのオープンの目玉は…。
女性客:
「食パンのサンドイッチはよく見かけるんですけど、クロワッサンのは初めてだったので魅力的です」
名古屋コーチンのクロワッサンは、午前中に売切れました。店は、午後になってもお客さんが途切れることなく盛況でした。
■クロワッサン好きの2人が意気投合…始めた移動販売が口コミで人気に
この店が有名になったきっかけは、移動販売でした。兒玉さんと日比野さんは、去年10月から半年間、尾張旭市を中心に移動販売車でクロワッサンを販売していました。
日比野さん:
「私も店長もパンがすごく好きで、その中でも二人ともクロワッサンだったんですね。おいしいクロワッサンを自分で作ろうかっていうことで…」
兒玉店長と一緒に、試行錯誤をしながらクロワッサンを作り販売を始めると、たちまち口コミで人気となり、あっという間に完売という日も多くありました。
ただ、移動販売車では作れる数も限られ、お客さんに迷惑をかけることもあったといいます。そこで今回、常設店を構えることにしました。
■用意した900個は全て完売…オープン初日は上々の滑り出し
午後、厨房では兒玉さんがクロワッサンを焼き続けていました。
兒玉さん:
「焼きたてが一番おいしいので、おいしい状態で提供したい」
「手間はかかっても焼きたてを提供したい」。兒玉さんのこだわりです。この日用意した900個は全て完売。移動販売車から試行錯誤を重ねてきた2人のオープン初日は、上々となりました。
日比野さん:
「私一人では絶対できなかったし、多分店長だけでもできなかったし、二人で築いてきたジョリークロワッサンなので…」
兒玉さん:
「一日やってみてホッとしたというのもありますし、始まる前まではドキドキして期待もありますし、いろんな感情がね…」
移動販売から常設店へステップアップ…。兒玉さんと日比野さんは、クロワッサンでたくさんの人に笑顔を届けます。