12月に入り、東海三県では高速道路での事故が相次いでいます。12月は高速道路の交通事故死者数が増える時期で、専門家に事故の原因と対策を伺いました。

 12月2日、岐阜県土岐市の中央自動車道で、走行中の軽乗用車がガードレールに衝突して横転し炎上しました。車内から性別不明の2人が見つかり、その後、死亡が確認されました。

 12月7日には、新東名高速でトラックが渋滞の最後尾に停まっていたワンボックスカーに追突し、男性1人が死亡しました。亡くなった男性はビジュアル系バンドのメンバーで、他のメンバーと共に東京に向かう途中だったということです。

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 高速道路の交通事故死者数は年々減っていますが、それでも12月は他の月に比べて比較的多くなっています。

 交通事故を専門に扱う弁護士やJAFに、高速道路の事故の原因と対策を伺いました。

 まず高速道路の事故の原因について、JAFによると4割以上が「車線上で停車中に起こった追突」、つまり渋滞している中で起こっています。またブリッジルーツ名古屋の牧野弁護士によると、高速道路での渋滞時の事故率は通常の30倍というデータもあるといいます。

 12月に事故が起きやすい原因として、牧野弁護士は「年末の納期や帰省で急いでいる人が多いため、運転が荒くなったり、普段運転しない人が増えることが原因ではないかと考えられる」と話します。

 JAFによると、太陽の位置が低くなり周囲が見えにくくなること、久しぶりに運転する人はタイヤの空気圧不足によるパンクなど車両整備の問題が起きやすいこと、寒さ対策で窓を閉めっぱなしにして長時間運転をすることで、車内の二酸化炭素濃度が上がり眠くなりやすいことなどが原因と考えられるとしています。

 もし車両の整備不良や居眠り運転で事故を起こしてしまった場合、牧野弁護士によるとどちらも過失の割合が上がり、損害賠償額が増える原因にもなるといいます。

高速道路での事故を防ぐためのポイントについても伺いました。

・追突をしないよう遠くを見て予測しながら運転する
・追突されないよう、渋滞を発見したら早めにハザードランプを点ける
・計画的な運転で心と体に余裕を持つ
・タイヤなど車両の整備・点検
・換気や十分な睡眠をとるなど眠気対策を怠らない

 久しぶりの運転や長時間の運転などが増え、道路の混雑も予想される年末年始は、十分に気を付けてください。