新型コロナワクチンの接種を済ませていることをスマートフォンで証明するアプリの運用が20日に始まりました。飲食店や大規模イベントでの活用が想定されます。

 20日に運用が始まった「新型コロナワクチン接種証明アプリ」は、デジタル庁がリリースし、自治体や接種会場で入力された個人のワクチン接種情報がスマホに交付される仕組みで、いつでもスマホで接種証明ができるようになります。

 名古屋市在住で、2回接種済みの番組スタッフが実際に試してみました。

 アプリをインストールしたら、まず国内用か海外用かを選択。海外用ならパスポートが必要です。そして、このアプリに欠かせないのが『マイナンバーカード』です。

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 暗証番号を入力し、マイナンバーカードをかざすと、接種した日やワクチンの種類など自分の接種の情報が瞬時にスマホに反映されます。インストールから証明書発行までかかった時間は3分ほど、すべて無料です。

 この「新型コロナワクチン接種証明アプリ」が活用できるのは、飲食店では、緊急事態宣言下でもスマホを見せれば5人以上での飲食が可能になります。これは「ワクチン・検査パッケージ」に基づくもので、より手軽に制限緩和が適用されることになります。

 大規模イベントでは、入場者をワクチン接種を2回済ませた人に限定すれば入場者数の上限が撤廃されますが、このアプリが証明になります。

 接種証明アプリでは個人のQRコードが発行されるため、万が一感染者が出た場合、濃厚接触者の特定などにも役立ちます。

 一方で課題も指摘されています。

 接種の情報が登録されているワクチン接種記録システム(VRS)に、ロット番号や接種日の間違いなど多くの誤入力が判明。

 12月17日の時点で、全国でおよそ10万件の誤りがあるということで、誤った内容の証明が表示されてしまうおそれもあるため、デジタル庁は「アプリ使用前に必ず確認を」と呼びかけています。

 マイナンバーカードを持っていない人はアプリには登録できません。公式の「接種証明書」が必要な人は、お住いの市区町村の窓口で発行してもらうことができます。

 例えば名古屋市では1月以降、紙の接種証明の発行センターを開設して対応していく予定です。