東海ラジオ『大澤広樹のドラゴンズステーション』に1月25日、野球解説者の鈴木孝政さんが出演し、現役時代、「試合中に思わず笑ってしまった言葉ベスト3」を挙げた。

 真剣勝負の試合中だからこそ思わず笑ってしまった言葉を、鈴木さんは3人の先輩の名前を挙げて話した。第3位は竹田和史(たけだ・まさふみ)さん。

神宮球場での試合中に雨が降ってきたが、なかなか止む気配はない。そこで鈴木さんが武田さんに「雨、止みますかねえ」と話しかけたところ、竹田さんは「あほっ、この雨が止まんかったら、次の雨が降られへんやないか」と答えたという。これが鈴木さんの笑いのツボにハマってしまったそうだ。

 第2位は、堂上照(どのうえ・てらし)さんが強烈な打球を受けたときの近藤貞夫監督の言葉だ。堂上さんの腹を強烈な当たりが襲い、堂上さんはすぐにベンチに下がったが、そのとき近藤監督が、思わず「堂上でよかった」とつぶやいたという。

もちろん良いわけがないが、堂上さんは「ジャンボ」というニックネームで頑丈な体つきをしていて、他の選手に比べたら圧倒的に体が強いところから思わず出た言葉だった。

堂上さんは明るい性格で、普段からエピソードに事欠かずケガもなかったことから鈴木さんも、「そのときは監督の言葉を聞いて『それはないでしょ』と思ったが、今となっては、今だからこそ笑って話せるかな」と振り返った。

 そして第1位は、マウンドで星野仙一監督に掛けられた言葉だ。その日の鈴木さんは、先発でリードしたまま、7回表のマウンドに上がっていた。ランナーを1人出したところで、星野監督がマウンドに来た。滅多に来ない監督が自らマウンドに歩み寄って、鈴木さんに「どやっ?」と訊く。

こうした時の「どやっ?」は「まだいけるか、行く体力があるか」を投手に確認するためのもので、鈴木さんは「まだ、大丈夫です」と答えたが、星野監督は「おまえが大丈夫でも、おれがダメだ」と返し、鈴木さんは思わず「うまいことを言うな」と素直にボールを渡したそうだ。