新型コロナウイスルの新規感染者では、感染力が強いオミクロン株の新しい系統「BA.2」が増えています。

 感染症に詳しい愛知県がんセンター病院の伊藤直哉医師は、新規感染者が再び増加している要因について「まん延防止等重点措置の解除」「新年度に向け人の移動が増えていること」「BA.2への置き換わり」が考えられるとしています。

 伊藤医師に聞いたBA.2の特徴は、まず従来のオミクロン株BA.1に比べ、感染力が強いことがわかっています。オミクロン株に感染した1人が、ほかの人にうつす人数「実行再生産数」は、BA.1よりも18%高く、感染力は30%高いという報告があるということです。

 ただ、BA.1と同じく無症状や軽症が多く、重症化リスクは変わらないということです。

 海外では、デンマークで感染者数が爆発的に増えた原因にBA.2の拡大があり、現在は90%以上がBA.2の感染者だということです。

 伊東医師は、国内でも新年度に向け人の移動や接触の機会が増える時期に入ったことなどから、今後BA.2の拡大はさらに進む可能性があるとしています。

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 対策として重要なのがワクチンの3回目接種で、伊藤医師は「大人の3回目接種や小児の接種が進むことは、感染の再拡大を遅らせる」としています。