新型コロナを受けた経済支援策「県民割」は、東海3県で対応が分かれています。

 三重県では5日から、県民を対象とした旅行割引「みえ得トラベルクーポン」が再開しました。鳥羽市の老舗旅館「戸田家」。

 戸田家ではこの日、平日の4月6日も、県民割を利用した宿泊客4組が訪れるといいます。

県民割再開は「新規感染者がさらに減らないと」愛知県知事が新型コロナ感染者数の下げ止まり受け慎重姿勢

戸田家の寺田社長:
「今回も我々は非常に期待をして待っておりました。きのうの予約状況だけで約30件くらい、100名様弱ぐらいのご予約をいただいております」

 三重の県民割は前期と後期で対応が分かれ、前期は1人最大7000円、後期は1人最大5000円などと割引が変わってきます。2回目のワクチン接種から14日以上経過した人か、陰性証明を提示した人が対象です。

 県民割を使えば、戸田家では通常1泊2食付きで、1人あたり2万3100円の露天風呂付きの部屋が、1万6100円で宿泊できます。

戸田家の寺田社長:
「いろんな制約がある中で、県も英断をして県民割をしていただいた」

 一方、愛知県豊田市の「猿投温泉ホテル金泉閣」。100パーセント源泉で、全国でも珍しい飲むこともできる温泉です。

 金泉閣のある豊田市では「まん延防止」解除に伴い、3月22日から宿泊代金などが半額になる「とよた宿割」を再開。愛知県民に限り、豊田市内の宿泊施設40か所で利用できます。

利用客:
「ちょうど(私の)誕生日だったもので。これなんかは半額で泊まれる。料理がおいしい、この人は3杯食べた」

別の利用客:
「せっかく半額だから一番高いコースで。部屋もすごく良かった。広くて、4階だから桜がすごい綺麗だった」

 多くのお客さんが、“とよた宿割”が宿泊の動機になっていましたが…。

ホテル金泉閣の嶋崎社長:
「残念ながら、宿割の方の豊田市の補助額というのも上限がございまして、当社の場合ですと上限に達してしまった」

 この「とよた宿割」、各宿泊施設で予算が割り当てられていて、金泉閣では先週末に入った予約ですでに上限に達してしまいました。

 そこで、期待されていたのは愛知の県民割でしたが…。

大村愛知県知事:
「現状の感染状況で、財政支援までつけて推奨するかとなりますと、少しそこは慎重にならざるを得ない。(今週の)感染状況の数値をしっかり注視したい」

 4日の会見で大村知事は、県民割の再開に慎重な姿勢を示し、「新規感染者数がさらに減らないと厳しい」としました。

ホテル金泉閣の嶋崎社長:
「ホテル・旅館の皆さまは県民割も後押しとして非常に期待するところが大きいというのは、私どもだけじゃなくても感じています。来ていただいたお客さんが、また来たくなるようなサービスを提供しようと、基本を忠実にしながらやっております」

 ゴールデンウィークが控える中、愛知の宿泊業者からは複雑な思いが聞こえてきました。