愛知県碧南市に、1772年創業のみりんメーカーがあります。この老舗は、若い人にもみりんのおいしさを知って欲しいとバームクーヘンを開発。表面に“みりんジュレ”をコーティングしたバームクーヘンは、口いっぱいに本みりんのおいしさが広がります。

■若い人にも本みりんのおいしさを知って欲しい…老舗が開発「みりん屋さんのバームクーヘン」

 愛知県碧南市でみりんの製造・販売をしている「九重味淋(ここのえみりん)」。

【画像20枚で見る】1772年創業みりんメーカーが作った“バームクーヘン”「若い方に本みりんの美味しさを」

創業250周年を迎える老舗が昔ながらの醸造法で作る看板商品「九重櫻(ここのえさくら)」は、多くの料理人から愛される逸品です。

同じ敷地内にある「石川八郎治商店」には、みりんを使ったグラノーラやみりんが入った、芋けんぴなどのお菓子やスイーツが並びます。

九重味淋の担当者:
「控えめな甘さで、素材本来の美味しさを引き立てながら、本みりんの甘さを味わっていただくスイーツが多い」

上品なみりんの甘さを生かしたスイーツを次々と展開している中で、2022年2月に発売したのが「みりん屋さんのバームクーヘン」(1450円)。

生地に本みりんを混ぜているので、コクと丸みのある深い味わいが口いっぱいに広がります。なぜ老舗のみりんメーカーがバームクーヘンを作ったのでしょうか。

同・担当者:
「若い方にも本みりんの美味しさを知ってもらいたい。若い方にも手に取っていただきやすいスイーツを開発した」

■試行錯誤すること2年…“みりんジュレ”をコーティングしたバームクーヘンが完成

「本みりんの味わいが感じられるバームクーヘンを」と開発を始めましたが、その製作はかなり難航したといいます。

同・担当者:
「本みりんをバームクーヘンに入れすぎてしまうと、カステラみたいな風味になったり、焼き色が入りすぎてパサパサになったり…」

一番苦労した点は、みりんとバームクーヘンのおいしさの両立。風味を増すためにみりんの割合を増やすと、うまく焼き上がりませんでした。

試行錯誤すること約2年…。

同・担当者:
「“みりんジュレ”をコーティングすることによって、本みりんならではの照り、ツヤを生み出してくれた。あとは口に入れたときに本みりんのおいしさが広がるのが一番の特徴」

みりんをジュレにして表面にコーティングすることで、みりんとバームクーヘンのおいしさを両立させることに成功。

老舗の伝統とアイデアが詰まった「みりん屋さんのバームクーヘン」が完成しました。