夏本番を迎えて心配されているのが電力です。東京都内のオフィスでは、照明を落としたり、エレベーターの使用制限を行ったりするなどして節電しています。

 26日、東京電力管内で初めて「電力需給ひっ迫注意報」が発令されました。電力需給の余力を示す予備率が夕方のピーク時に3.7%まで低下する見込みとなったためです。

 電力需給ひっ迫注意報は、予備率が5%を下回ると予想された場合に発令され、さらに予備率3%を下回ると予想された場合は「電力需給ひっ迫警報」が出されます。

 27日午後4時時点の東京電力管内の予備率は8.1%で、節電の効果か、当初の見込みより電力に余力があるようです。

 中部電力管内の状況は、午後4時時点の予備率は8.1%。中電によりますと、例年夏場は10%から7%くらいで推移しているということで、現時点では安定して電力を供給できているとしています。

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 ただし、この先も安心というわけではありません。

 この夏の予備率の見通しを見てみると、7月は3.1%、8月は4.4%、9月は5.6%と、東海3県でも電力がひっ迫することが予想されています。

 なぜこのところ夏場や冬場に「電力のひっ迫」が取りざたされるようになったのかについて、中部電力は、火力発電所の稼働率が低下していることが要因にあるといいます。

 火力発電所の老朽化や、脱炭素にむけた取り組みで火力発電の稼働率が低下し、必要な電力が確保できない場合があるとしています。

 夏の暑さが厳しくなっていること=温暖化も、電力ひっ迫の大きな要因だということです。

 中部電力は今後電力がひっ迫した場合、適切に冷房等を活用し、熱中症にならないよう注意しつつ、使用していない照明を消すなど無理のない範囲での節電を呼びかけるとしています。