第7波で新型コロナに感染する子供が増える中、注目されている病気「MIS-C(ミスシー)」について、自治医科大学附属病院・小児科の松原先生に詳しく伺いました。

 MIS-C=「小児多系統炎症性症候群」は、コロナの合併症と考えられている新しい病気です。10歳前後の子供がかかり、コロナに感染したり濃厚接触してから2~6週間後に突然発症します。

アメリカではこれまでに約8800人がかかり、約70人が亡くなっています。松原先生によると、日本では発症は稀であることが前提ですが、この半年くらいで少し増えている印象があるといいます。

 MIS-Cの症状は、日本で毎年1万人以上の乳幼児がかかっているといわれる「川崎病」に似ています。どちらも「全身の血管に炎症が起こる病気」です。

見た目に出る症状は、発熱、目の充血、発疹、唇が赤くなる、首のリンパ節の腫れ、手足のむくみ、などがあります。MIS-Cは川崎病より症状が重く、加えて腹痛や下痢、心臓の働きの悪化、血圧の低下、血が固まりやすいといった症状も出るということです。

自治医科大学附属病院ではこれまでに3人のMIS-Cの患者を受け入れ、治療により約10日間で無事に退院し、現状、後遺症は報告されていません。

 海外では、コロナワクチンの接種でMIS-Cの発症や重症化の予防効果があるという報告が上がっているものの、まだ詳しくは解明されていません。

【動画で見る】コロナ合併症か 米国で約70人死亡…子供が突然発症『MIS-C』国内では稀も医師「半年位で増えた印象」

その上で今できることについて、松原先生は「あくまでコロナの合併症と考えられるので、マスクや3密回避など基本的な対策を続けること。その上でコロナにかかってしまったときは、その後1か月くらい経過を見守り、発熱や発疹などの症状が急に出てきた場合には、早めに医療機関に相談してください」と話していました。