安倍晋三元総理の国葬は、27日午後2時から執り行われました。首相経験者として戦後2例目となる国葬は、強引な決定に批判の意見も相次ぎました。賛否ある中での弔い、東海3県の動きをまとめました。

 会場に到着した安倍元総理の遺骨。参列者は218の国と地域などから700人、国内からおよそ3600人、多くの参列者が最後のお別れをしました。

(リポート)
「午前6時過ぎです。愛知県庁の正面玄関前には弔旗が掲げられ、そして名古屋市役所の屋上には半旗が掲げられています」

 岐阜県庁、三重県庁にも半旗が掲げられました。

“前回”の55年前は国を挙げて実施…世論で賛否割れる中で営まれる安倍元総理の『国葬』参加者たちの想い

 動物園にも半旗が掲げられる中、国葬の実施について今も賛否が…。

60代男性:
「内閣の最長の総理大臣ということは動かしがたい事実ですので、これだけでも国葬に値すると思います」

20代女性:
「国の費用となると話が違うのかなと思います」

80代女性:
「私も半分半分ですね、気持ち的には」

 三重県伊賀市では、普段通りに国旗が掲げられ、職員の業務も普段通りのままでした。

60代の伊賀市民:
「それぞれの思いがあると思いますから、強制する必要はないと思います。心の中で感謝を申し上げたい」

 厳戒態勢がとられた東京。国葬の会場近くでは、早朝から献花台に人が殺到し、予定より30分早く開場しました。

 午前10時過ぎ、東京駅に名古屋市の河村市長が到着。

河村たかし名古屋市長:
「日本の国のために勇気あるええ発言をしていただいて感謝しとります。サンキューベリーマッチと英語はいかんかもわからんけど、ありがとうと。国葬という格好でみんなで『ありがとう』と言うことは、必要なことだと思いますよ」

 そしてそのころ、名古屋市中区の栄では…。

国葬反対を歌う男性:
「や〜め~て~くれ、こんな国のお葬式~」

 最後まで反対の声を上げる人たちがいました。

60代女性:
「(国葬は)閣議決定で勝手にやることになったことについて、たくさんのお金をもっと別のものに使ってほしいので、今日はここに来ております」

 名古屋に残っていたのは、執行役員の出席を見合わせた立憲民主党の牧義夫衆議院議員です。

牧衆議院議員:
「(Q.参列したかったという思いは?)それは全くありません。国葬をするということの意味が、十分説明されていないし分かりません」

 そして午後2時、国葬が始まりました。自民党三重県連では、すすり泣く人も…。

 美濃市役所でも、市長ら幹部が黙とうを捧げました。

武藤美濃市長:
「弔意を示したいということだけ、本当に純粋な心だけでやっています」

<菅元総理>
「安倍総理、あなたはわが国、日本にとっての真のリーダーでした。どうか安らかにお休みください」

 国葬をテレビで見ていた牧衆院議員は…。

牧議員:
「国民の税金を使ってやるからには、国葬儀の目的というか、意味がなければならないわけですけど、一体何のための国葬儀なのか、最終的についぞ説明がなかったということが大変残念だなと思いながら見ていました」

 今回の国葬に、街の人は…。

40代男性:
「弔意を示すことに関しては賛成なんですけど、どういう過程で、手続きで国葬を行ったのかにつきましては疑問を感じるところもあります」

50代男性:
「色んな意見が国民の皆さんから出ていることも、逆にいいことなんじゃないかなと思いますが」

 今回の国葬は、最後の最後まで賛否が分かれていました。