英語検定やパソコン検定、簿記検定など、さまざまな資格がありますが、コロナ禍で人気が増加した資格や、資格コンサルタントがおすすめする資格を取材しました。

■取得した資格は28個…“資格マニア”の女子高生

 名古屋市東区の金城学院高校に通う1年生の宇井星日(うい・せいか)さんは、「資格マニア」だといいます。

宇井さん:
「パンシェルジュ検定、中国語検定、…危険物取扱者で、合計28個になります」

名古屋観光検定、パソコン検定、料理検定など、その数28個(※10月21日時点)。この夏に取得した秘書検定1級は、合格率が30%ほどといわれる難しい資格です。

【動画で見る】おうち時間の増加や景況不安等から…コロナ禍で人気が増した『3つの資格』実用的で役立つものに注目集まる

小学校4年生の時の漢字検定から始まり、中学1年の時には新型コロナの流行で学校の授業がすべてオンラインになり、おうち時間が増えたため、資格の勉強に拍車がかかったといいます。

宇井さん:
「英検を、級を一つ飛ばしで受けたんですよね。そしたら思いのほか達成感があって。他の資格も取って達成感を味わいたいと思ったことがきっかけです」

宇井さんのカレンダーには、次の資格試験の予定が埋まっていました。

■コロナ過で人気が増した資格!「簿記3級」「ITパスポート」「整理収納アドバイザー」

 通信教育を手掛ける「ユーキャン」の調査によると、資格の必要性を感じている人は約6割に。コロナ禍でおうち時間が増えたことや、景気状況への不安が反映されたとみられています。

 コロナ禍で人気が増えた資格が3つあります。1つは「簿記3級」。簿記とは帳簿をつけるために必要なスキルのことで、3級では実務で役立つ経理や会計の基礎が習得できます。

この資格を受講する人は、コロナ以前と比べて1.5倍になりました。コロナ禍の金銭的・経済的な不安を取り除くために、お金に関する知識を身につけられるということで人気だといいます。

 2つ目は「ITパスポート」、「iパス」とも呼ばれています。ITに関して基礎的な知識を持っていることを証明する、経済産業省認定の国家試験です。

技術者だけではなく幅広い層に人気で、コロナ以前と比べて受講者は倍になりました。パソコン初心者の方も受けているということです。

 3つ目は「整理収納アドバイザー」。おうち時間の有効活用や家事にも役立つと注目されていて、受講者は2.7倍になりました。

 人気の資格講座の様子を取材しました。愛知県岩倉市のオシャレなレンタルスペースで行われていたのは、整理収納アドバイザー2級の認定講座です。資格をとるために6人の女性が参加していました。

整理収納アドバイザーは、片付けについて困っている人に整理収納の技術を教えたりする仕事で、資格を持つことで自分の家が片付けやすくなるといいます。

講師の女性:
「まず引き出しを全部出してみます。探せないというストレスを解消するために、いる物・いらない物を区別しましょう」

座学や実習で、収納のコツ・整理の考え方などを学びます。講座は最短で1日で、その後、「ハウスキーピング協会」の試験を経て、資格取得となります。受講者は右肩上がりで、この教室には中学2年から80歳の女性まで幅広い年代の人が来たということです。

看護師の30代女性:
「最近ミニマリストにちょっと憧れていて」

フリーランスの30代女性:
「大量生産・大量消費で物があふれている時代だと思うんですけど、根本に立ち返るみたいな理由で」

SDGsを意識している人から…。

看護師の20代女性:
「もともと整理整頓が苦手なんですけど、今後家を建てるというのもあって、この講座を聞いて生かせたらいいなと」

事務職の30代女性:
「(子供が)4人います。小さい子供がたくさんいると、物もすごい勢いで増えていくんです。ごちゃごちゃしているのは自分もイライラしてしまうし、何とかしたいと思っていて」

コロナ禍によるおうち時間への意識の高まりもあり、家をキレイにしたいという人もいました。

そのほか、副業として家計の足しにしようとする人も多いということで、実用性が高いことに加え、早ければ1日で資格が取れる手軽さも、忙しい働き世代・子育て世代の女性にウケています。

講師の百武さん:
「自信が持てるというのが大きいのではないですかね。自分の暮らしにもちろん生かすこともできますし、例えばお友達とか会社の環境とか、違った視点でその人に合ったニーズに応えてあげられたりとか、すごく多岐にわたるかなと思います」

■“資格コンサルタント”が勧める「サウナ・スパ健康アドバイザー」に「涙ソムリエ」

 資格コンサルタントの鈴木秀明さんに、手軽に取得できる、注目の資格を聞きました。鈴木さんは大学生の時からおよそ20年間で、実に852個の資格を取得しています。(※10月21日時点)

鈴木さん:
「大相撲検定を受けたり、全国のご当地検定とかを受けたり、名古屋観光検定とかも受けました。合格はできなかったんですけど、堀川検定というのも名古屋でやっていて(受けた)」

 資格の達人・鈴木さんに、いま人気でかつ取得しやすい資格を聞きました。

鈴木さん:
「サウナ・スパ健康アドバイザーというのがおすすめとしてあります」

サウナブームの今、正しい入り方や健康面のほか、万一のときの応急措置も勉強できると注目を集めているそうです。

また、全国の提携サウナ施設で割引を受けることができ、サウナ好きの人であれば元が取りやすいといいます。

テキストを購入し、自分のペースで学習でき、好きな時間に自宅で受験できるという自由度の高さも、おすすめのポイントです。

 もう1つ鈴木さんが勧めてくれたのが「涙ソムリエ」です。

鈴木さん:
「『涙活』というのもちょっとブームになりましたけど。そもそも涙とはどういうものか、みたいなことをちょっと勉強したりとか。おすすめの映画とかもあるので、その情報が得られる」

ストレス解消になるということで、ここ数年ブームになっている「涙活」。涙の仕組みや効能を学べるうえ、“泣きツボ”を刺激する映画情報も得られます。受講料1万7000円を支払ってWEB講座を1時間半受ければ、誰でもその日のうちに取得できるということです。

 鈴木さんに、800個以上も資格を取得する理由を聞いてみました。

鈴木さん:
「資格の世界って時代を反映する鏡なので、資格を追うことで社会の流れとか(に乗れる)。新しいものをどんどん吸収していくきっかけにもなる。もっと気軽に自分の好きなことを勉強できるきっかけとして捉えていただければ」

資格は仕事や就職のためだけではなく、取得に向けて頑張ることで「日々の暮らしに“ハリ”が出て人生を豊かにする」と鈴木さんは話しています。