国内では第8波の感染拡大が続いていますが、海外からはオミクロン株の新たな派生型が相次いで確認されていて、感染拡大が警戒されています。

 アメリカで今、拡大の一途を辿っているのが「XBB.1.5」です。12月3日時点では、アメリカの新規感染者に占める割合は推計で2.3%でしたが、1月7日には27.6%にまで上昇しています。日本国内では今のところ、4例の確認にとどまっています。

この「XBB.1.5」の特徴については、感染症が専門の愛知県がんセンター病院の伊東直哉医師によると、現在の主流の「BA.5」に比べて感染力が強く、免疫逃避も強いそうです。これはワクチンを接種した後でも感染する恐れが高いということを示しています。ただ、重症化しやすいかどうかについてはわかっていないということです。

【動画で見る】アメリカは“XBB.1.5” 中国では“BF.7”等…海外で確認相次ぐオミクロン株の新たな派生型の「感染力」は

 そして、懸念されているのが中国からの感染拡大です。1月22日から旧正月の春節を迎えますが、「ゼロコロナ政策」が終了した中国からは、この期間のべ21億人が移動すると推定されています。

その中国で流行が進んでいるのが、BA.5系統の派生型「BF.7」と「BA.5.2」です。伊東医師によると、BA.5と比べても感染力や重症化のしやすさはほぼ同じだということです。

中国からの入国者には水際対策がとられていますが、伊東医師はこうした海外からの派生型の感染対策について「XBB.1.5などもオミクロン株の亜系統なので、効果の程度に差はあるが、ワクチン接種と基本的な感染対策が重要」としています。