
様々な物の価格が上がっていますが「物価の優等生」と呼ばれてきた卵の価格にも異変が起きています。飲食店やスーパーの現状、そして消費者の受け止めを取材しました。
名古屋市中区の大須商店街の一角にある、レトロな雰囲気の喫茶「ジェラシー」は、オムライスとプリンが看板商品です。いま店が頭を悩ませているのが、その材料となる卵の価格の高騰です。

喫茶ジェラシーの箕浦敏充さん:
「だいたい箱で10キロあるんですけど、去年の11月ぐらいまでは3000円くらいだったんですけど、今だと5000円ぐらいまで上がってしまった」
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名古屋地区の鶏卵の卸値は、2年ほど続くエサ代の高騰から、特に去年2022年の1年間は急上昇しました。1月は11日までに1キロあたり平均280円と、去年の同じ時期の1.9倍となっています。

例年、すき焼きやクリスマスケーキなどでの需要が落ち着く1月は大幅に価格が下がりますが、今年は高止まりしています。年末に愛知県豊橋市で発生した鳥インフルエンザで30万羽以上が殺処分になるなど、卵の供給が減ったことが原因です。

この喫茶店でオムライスなどに使う卵は1日およそ150個で、仕入れ価格は去年11月の3000円から5000円まで上がりました。
看板商品とあって、オムライスは値上げせず1皿1000円で提供していますが、限界が近づいていると話します。
喫茶ジェラシーの箕浦さん:
「これ以上高くなってくることであれば、少し値上げも考えないといけないのかなと」
スーパーにも取材しました。
タチヤ八事店の三留征店長:
「去年の年末ぐらいから鳥インフルエンザの影響がありまして、仕入れ値が3割ぐらい値上がりしまして。僕が卵に携わるようになってからは初めて(の値上がり具合)ですね」
タチヤ八事店では去年12月、白たまごを20円、赤たまごを30円、それぞれ値上げに踏み切りました。

よく使うからこそ、卵の値上げは家計に直撃します。買い物客に聞きました。
女性客:
「どこのスーパーでもだいたい30円くらい上がっているかなと思う。どんどん上がっていってしまうと困っちゃうんですけど」
別の女性客:
「子供がよく食べるので、1週間かからずに(1パック)食べちゃいます。もうちょっと安いと助かるなと思います」
成績が振るわない状態の「物価の優等生」卵。今後の価格の推移について1月13日、野村農水大臣が見通しを示しています。
野村農水相:
「これ(卵の価格)がどうなっていくのかということは、やっぱり高い水準で推移していくのかなと思っております」