ウィンタースポーツがシーズンを迎えている中、スキー場のゲレンデから、スマホ等の自動通報による誤った119番通報が増えています。

 岐阜県郡上市のスキー場。今年は雪に恵まれ、2月1日に訪れると、多くの人たちがスノーボードなどを楽しんでいました。

 中には、トリックに挑戦して転倒する人の姿も。しかし、ゲレンデでよく見かけるこの光景が、思わぬ事態を引き起こすこともあります。

【動画で見る】1月は全体の約4割…ゲレンデから“スマホ等の自動通報”による誤った119番増加 確認作業で業務に負担

 郡上市の消防本部に相次いでいるのは、最新のスマートフォンなどによる自動通報です。

郡上市消防本部・警防指令課長:
「iPhone等の、衝突を感知したときに自動で通報される通報が増えています」

 激しい衝突を検知する機能が搭載されていて、その後操作が無い場合は自動的に119番通報し、GPSの位置情報を共有します。2月1日の取材中もそうした通報があり、位置情報を確認すると、市内のゲレンデからでした。

郡上市消防本部・警防指令課長:
「2回コールしましたが(通報していることに)気が付いて切られました。すぐに折り返し、逆信をさせていただきます」

 郡上市消防本部では、自動音声による通報には通話で直接安否確認をとっています。しかし、本人が通報したこと自体に気付いていない場合などもあり、繋がらないこともあります。

 GPSは誤差5メートルほどの精度ということで、ゲレンデからだった場合、周囲の目撃者などから通報がなく、2度の電話にも反応がなければ誤りだったと判断しています。

 それでも、負荷は小さくありません。

郡上市消防本部・警防指令課長:
「本物の119番通報が入った時などは、業務に支障がございます」

 市内に10カ所のスキー場がある郡上市。スキー場からの自動通報は2022年11月以降増え続けていて、1月は158件と救急通報全体の4割近くを占めました。

 これまでに出動したケースはなく、いずれも「誤った通報」でしたが、確認作業のため業務に負担が出ています。

 万が一に備えたこの自動通報機能。スマートフォンの設定でオフにすることもできます。

男性客:
「難しいですね。大事っちゃ大事っすけど、どうやろうね。(自動通報していても)気付かないです」

別の男性客:
「一人でやっていたらいいと思います。助けが呼べないので」

郡上市消防本部・警防指令課長:
「万が一通報された場合は、こちらからの問いかけに答えていただければ、ケガがないことが確認できますので、ぜひご協力をよろしくお願いします」