愛知県常滑市が、中部国際空港へのアクセスの良さから、最近は観光地としても注目を集めている。古くから「焼き物のまち」として知られ、多くの老舗の窯元がある。明治4年(1871年)創業の「水川製陶」は、昭和初期から常滑焼の植木鉢を作り続けている。

 窯の煙突が歴史を感じさせる愛知県常滑市の「水川製陶」。5代目の水川幹康さんは「昭和初期から原型をとどめたまま使っているのはたぶんうちだけ」と話す。

【画像で見る】昭和初期から続く形…老舗の窯元で作られる常滑焼の植木鉢 伝統を繋ぐ“ランプシェード”への挑戦も

植木鉢は2階の作業場で成形している。

型に土を入れ、手で形を整える。

4代目の水川博視さん:
「(常滑焼の植木鉢は)中がざらついて、水をよく吸ってくれる、土となじみやすい」

表面のざらつきがポイントで、水はけと保水のバランスが優れているという。

幹康さん:
「全て完璧になぜか計算されていて、昭和初期、作り始めたころのものを超えることができない」

1日1500鉢を超える植木鉢を製造し、全国のホームセンターなどに出荷しているが、生産が間に合わないという。

幹康さん:
「全国シェア率80%作っていた工場が常滑に1軒あったんですけど、そこがやめちゃったんです、コロナ前に。そこから、全国シェア率20%だったところが100%回さないといけなくなってしまって」

 新しい商品づくりにも取り組んでいる。常滑焼のランプシェード「陶華光(とうかこう)」だ。

逆さまの植木鉢に穴を空け、一つ一つ手作業で彫って仕上げる。

2022年11月上旬、常滑市のりんくうビーチで開催されたイベントで展示された。

伝統の常滑焼の、新たな挑戦の光だ。

2022年11月24日放送