7日の名古屋市議会本会議で、エスカレーターを立ち止まって利用することを義務付ける条例が可決されました。政令指定都市では初めての条例で、2023年10月から施行されます。

 7日朝の名古屋の金山総合駅。

(リポート)
「金山駅構内のエスカレーターです。立ち止まっての利用が多い中、歩く人の姿も見られます」

 多くの人がエスカレーターの左側に寄って立ち止まる中、急いでいる様子で歩く人の姿もちらほら見られました。

男子高校生:
「歩いている人のバッグが当たったりして、よろけたりとかありました」

30代女性:
「子供を連れていると、歩いて下りてきたり走って下りてきたりすると、ちょっとヒヤッとする時があります」

 エスカレーターの事故は多く、名古屋市内の駅や商業施設で転ぶなどして救急隊が出動した件数は、2021年度の1年間で133件に上ります。

【動画で見る】政令市で初…「エスカレーターは歩かず立ち止まって利用」を義務付け 名古屋市が2023年10月条例施行へ

 市は立ち止まって2列に並んで利用するよう呼びかけてきましたが、歩く人はなかなか減りませんでした。

 そこで名古屋市は「エスカレーターの安全な利用についての条例案」を市議会に提出。7日の本会議で可決されました。罰則はありませんが、エスカレーターを歩かず立ち止まって利用することを義務付けます。

 事故を減らす効果は出るのか、エスカレーターの利用者に条例制定について聞きました。

20代女性:
「急いでいる時は結構右側で上がっていっちゃいます。(条例が)なかったらそのまま歩いちゃうかもしれないなって思いますけど、条例を知っていたらちょっと気を付けようかなと思います」

会社員の男性:
「急いでいる時はダッシュして上がりたくなる気持ちはわかりますね。今回初めてエスカレーターの条例のことをお聞きしたんですけど、そうするとやっぱり気を付けないといけないなって。たとえ罰則がなかったとしても、そういった効果はあるのかなと思います」

河村名古屋市長:
「決めるのは賛成じゃない方だけど、自分の判断でやれという方なんだけど、実際に危ないらしいもんで、ならまあいいんじゃないかと思いますけど」

 エスカレーターに関する条例は、埼玉県でも2021年10月から施行されていますが、政令指定都市としては名古屋市が初めてで、2023年10月から施行されます。