21日、G7広島サミットが3日間の日程を終え閉幕しました。ロシアによる侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領も出席した今回のサミットについて、名古屋に住むウクライナ人の受け止めを取材しました。

 21日夜、日本から帰国の途に着いたウクライナのゼレンスキー大統領。

 20日に会場に到着すると、イギリスのスナク首相、フランスのマクロン大統領など各国首脳と相次いで対面。

 ロシアへの制裁に加わっていないインドのモディ首相とも会談しました。

インドのモディ首相:
「インドならびに私個人として、問題解決のためできることは何でもやると約束する」

【動画で見る】G7サミット ゼレンスキー大統領の訪日参加に「皆に会ったことが大事」ウクライナ人達が願う侵攻の早期終結

 その頃、名古屋では…。

デモ行進の参加者ら:
「戦争反対!核兵器反対!」

 ウクライナからの避難民らおよそ80人がロシアの侵攻に抗議し、栄の街を行進しました。

 侵攻が始まって1年3か月。大統領の広島訪問とサミット出席について、避難民たちに聞きました。

ウクライナ避難民の男性:
「ウクライナ大統領が日本のG7サミットに来たのはとてもいいこと」

ウクライナ避難民の女性:
「ゼレンスキー大統領のあらゆる行動を応援します。今回のサミットで大統領に幸運があるように」

 避難民の想いも背負ったゼレンスキー大統領は21日、G7サミットのセッションに出席した後、原爆資料館を40分かけて視察し、献花台に花を手向けました。

ゼレンスキー大統領:
「私たちの都市は爆弾や砲撃で焼き尽くされ、ここ広島で見たものに似た廃墟となっている。平和になりますように。ウクライナに栄光を」

 ロシアによる核の威嚇にさらされているウクライナのトップが、被爆地・広島に30時間滞在した今回のサミット。

 名古屋市で避難民の支援を続ける、ウクライナ人の榊原ナターリヤさん。ゼレンスキー大統領の対面でのサミット参加が、今後の一層の支援につながることを期待しています。

ナターリヤさん:
「ここに来てみんなに会ったということが大事です。昨日参加していた7カ国のリーダーたちに、支援のことを伝えたと思うんですけど。このサミットでリーダーたちが最後の大きい支援を強くしてほしいという私たちの期待ですね」

 広島サミットの成果を期待するナターリヤさん。2022年11月、東海地方に避難している子供たちを連れて、今回ゼレンスキー大統領が献花した広島の平和公園を訪れていました。

ナターリヤさん:
「ガイドの話を聞いて、広島の核兵器が落ちる前の生活のことを聞いて、その後あったことを聞いて、本当に涙が出ていた。子供たちがすごく集中して聞いていた。あの場所に行くとすごく悲しいですね。日本人は世界で1番悲しい経験があったと思うので、二度とやっちゃいけないと思います。ゼレンスキーは同じものを見て、たぶん同じ気持ちになったと思うので」

 侵攻から1年3カ月。願うのは1日も早い終結です。

ナターリヤさん:
「(避難民は)日本で日本語を勉強しながら、仕事探しながら、子供たちも学校に通いながらやっていたんですが、少しでも暇な時間があるとウクライナのことばっかり考えているので。(サミットを経て)私たちの期待は大きいです。この戦争は1日も早く終わってほしい」