名古屋市で明らかになった、PTAから学校への寄付を巡るルール違反。学校側が寄付を求めたものではないのか、河村市長も疑問を呈しました。

河村名古屋市長:
「金が足らんから寄付してくれなんて言ったらいかんですよ、学校は」

 22日、定例会見で河村市長が触れたのは、東海テレビの取材でわかったPTAの寄付を巡る問題です。

 5月17日、市教委はPTAから市立の学校などに過去5年で備品など1億8千万円分の寄付があったと発表。その8割については、寄付を受け入れていいか判断する手続きがなされていませんでした。

 本来、税金を充てるべきものまで保護者に負担させていたのではないのか。

名古屋市教育委員会津田淳一郎学事課長:
「学校が必要なものというのは、当然公費で賄われるべきものが基本にはなります。ただ、そのうえであくまで自発的な寄付。PTAの皆さん方がその学校の子供たちのために使ってほしいと申し出があれば、その自発的寄付については否定されるものでもなく、寄付をいただくことは差し支えない」

 市教委は「自発的なので問題ない」と主張していましたが、22日、河村市長は…。

河村名古屋市長:
「本当に学校はものすごい力を持っとるんですわ。『いくらか足らんで寄付してくれ』というのが、そんなもん自発的じゃないに決まっとるがね」

【動画で見る】PTAから学校への寄付は“自発的”か…名古屋市長も疑問呈する「金が足らんから寄付してくれなんていかん」

 指摘したのは、PTAの保護者と学校の間にある力関係。自発的と言えない寄付もあるのではないかとして、市教委の立場に疑問を呈しました。

 寄付は本当に自発的なのか。チェックする新たな基準作りに、市教委はこれまでのところ後ろ向きな姿勢です。

河村名古屋市長:
「できたら禁止はしたくないけど、今の状況では(学校への寄付は)やめてちょうと言うよりしょうがないんじゃないの?」

 名古屋市PTA協議会の会長は取材に対し、「PTAも決して好きで寄付をしているわけではない」と答えています。

 教育行政学が専門の千葉工大の福嶋尚子准教授は、寄付が本当に自発的と言えるかは、各PTAへの入会が強制になっていないかもポイントと言います。

 寄付が自発的かどう判断するかについて、市教委は「『寄付』という時点で自発的なものだから自発的なのだ」との主張を繰り返していて、学校側から何かを求めるようなやりとりがあっても、最終的に決めるのはPTAだとしています。

 東海テレビ「かわるPTA」で取材を続けています。pta@tw.tokai-tv.co.jpまでご意見・情報をお寄せください。