今、子供を中心に夏かぜの「ヘルパンギーナ」の感染が広がっています。コロナ患者の増加が追い打ちをかけ、医療現場はひっ迫しています。

 名古屋市西区の小児科クリニック「みわた小児科」では10日、朝から多くの患者が診察を待っていました。

 子供たちの間ではこの時期に夏かぜが広がっていますが、中でも今年2023年、特に流行しているのが「ヘルパンギーナ」です。

 毎年夏ごろにかけて広がるウイルス性の感染症で、5歳以下の子供がかかりやすく、発熱、口の中の水ぶくれ、のどの痛みなどの症状が出ます。

【動画で見る】医師「夏風邪はアルコール消毒効かない場合も」ヘルパンギーナやコロナ等で医療現場ひっ迫 感染防ぐ方法は

 ヘルパンギーナは全国でも感染が広がっていて、愛知県では1医療機関あたりの感染者が警戒の指標の6人を上回ったため、7月6日、県は注意を呼びかける「警報」を8年ぶりに発令しました。

 5月以降から感染者が増え始めたというヘルパンギーナ。愛知県によりますと、マスク着用などでここ数年は感染が拡大せず、多くの人に免疫がつかなかったことに加え、コロナ禍が明けて人と接触する機会が増えたことで、感染が広まったとみられるということです。

 ヘルパンギーナだけでなく、医療機関を悩ませているのが新型コロナとインフルエンザです。

みわた小児科の三輪田博介院長:
「(ヘルパンギーナが)3人いて、コロナが5人いる。(Q.多い印象?)コロナがね」

 愛知県では、新型コロナの感染者が7月2日までの1週間で、1医療機関あたり9人余りと右肩上がりに増え始めており、専門家の間では「第9波」に入ったという声も聞かれます。

 ほかにも、今年は夏にもかかわらずインフルエンザの患者も増えていて、クリニックも対応に追われています。

 この日も幼児を中心に、午前中だけで87人が診察を受けたということです。

三輪田博介院長:
「あー疲れた。大変ですわ」

 息つく暇なく診察に追われたクリニックのスタッフたち。

看護師:
「ヘルパンギーナ5人、インフルが1人、コロナが9人」

 感染症がまん延する2023年の夏、とるべき対策は。

三輪田博介院長:
「コロナ時代にみんなが身につけた手洗い、うがい、できたらソーシャルディスタンスも含めてですが。ヘルパンギーナやその他の夏風邪に関してはアルコール消毒が効かない場合があるので、しっかりと流水で手洗いするのがいいと思います」