深刻な人手不足がすすむタクシー業界ですが、岐阜市のタクシー会社に19歳の若きドライバーが誕生しました。2022年5月の道路交通法の一部改正によって、若い人でもドライバーになりやすくなり、若い人材の活躍が期待されています。

 岐阜市のタクシー会社に勤務する男性は、6月に乗務員になったばかりで、まだ19歳です。

19歳の新人タクシー乗務員:
「一番はびっくりされますね。19歳でタクシーに乗れるのかというところから」

 どこかあどけなさの残るさわやかな若者。現在の制度では、東海3県で最年少のタクシードライバーです。

 採用したのは岐阜市の日本タクシーで、背景には深刻な人手不足があります。

日本タクシーの山田健太郎社長:
「コロナでだいぶ乗務員さんが離職しちゃいまして。タクシー業界全体として非常に困っております」

 コロナ禍によって乗客が激減したタクシー業界。その後戻りつつあるものの、今度はドライバーが足りていません。しかも、タクシーの乗務員に必要な免許をとるには少なくとも3年はかかるため、若者から敬遠されていました。

 2022年5月に道路交通法が一部改正され、タクシーの乗務員に必要な普通2種免許の条件は、普通免許の取得後3年から1年になり、年齢も21歳以上から19歳以上に緩和されました。

【動画で見る】コロナ禍で離職者多く…深刻な人手不足のタクシー業界 2種免許の取得条件緩和で『19歳乗務員』がデビュー

 昔から車の運転が好きだった男性は、迷わずタクシー業界に転職しました。

19歳の新人タクシー乗務員:
「プライベートでもドライブとか友達連れてよく行きますし、幼い頃から車が好きだったので、自動車業界がいいなというのがまず第一にあった」

 入社から約1か月間、先輩の指導を受けながら独り立ちを目指します。

先輩乗務員:
「駅周辺やでやっぱり人出が多いで気を付けてね。そこの一時停止も出る時に左側とかギリギリまで見えないから、自転車とかビューっと来るから気を付けて。行けないと思ったら止まってていい」

 街中の運転で危険な場面を先輩から学びます。

 研修を終え、独り立ちの日を迎えました。

19歳の新人タクシー乗務員:
「緊張というよりかは、どちらかといえば楽しみだったりとか。今のところ不安は特にないですね。不安なところがない分、一つ一つ丁寧に確実にやっていく事を目標に、きょう一日過ごせたらなと思っています」

 初めての客を、無事に目的地まで送り届けることができました。

 次々と客を目的地に送っていきますが…。

乗客:
「もう一つ向こう、でもここでもいいよ。曲がってもらってもいいけど。しまった、しゃべっとったもんで」

19歳の新人タクシー乗務員:
「もう1個向こうの信号でしたね、ごめんなさい」

 会話が盛り上がり、目的地より1本早く曲がってしまいましたが、客に道を教えてもらい、無事目的地に到着しました。

19歳の新人タクシー乗務員:
「(Q.疲れた?)まだ特に、今日はそんなに走っていないので。200キロちょっと走っていました。なかなかタクシーの業界にはいない年齢かなと思うので、年齢も一つ武器にして、またこの人がいいなと思っていただけるように、パワフルに頑張っていきたいと思います」