台風7号の影響で、三重県を中心に看板が飛ばされたり、建物のシャッターが壊れるなど、各地に爪痕が残されました。

 15日午後3時ごろ、この時期、収穫シーズンを迎える梨の果樹園を訪れました。

工藤果樹園の工藤さん:
「棚全体がトンビやカラスが空を飛ぶみたいに波打っとるうちに、バタバタとこれだけ梨が落ちました。2トンくらい落ちとる」

 収穫前の約1割、2トンが風で木から地面に振り落とされたといいます。

【動画で見る】世界遺産の神社にも被害…『台風7号』東海3県の各地に爪痕 果樹園では収穫前の梨が「2トンくらい落ちた」

工藤さん:
「金額面もですけど、お客さんにこれをどう謝るというのか、そのお客さんに対しての責任感もありますし。こっちからキャンセルさせてもらうことも始まるんじゃないかな」

 15日午後6時、三重県尾鷲市。市内に住む上岡さんの住宅では、14日の夜中から停電が始まり、幼い娘2人と最小限の生活を送っていました。

 一時、3万3410戸が停電した三重県。エアコンも使えず蒸し暑い夜が続きます。

父親:
「熱中症にならないように水分補給させて、うちわであおぎながら」

長女:
「トイレとか、エアコンつかないから暑い」

 一夜明けた16日。尾鷲市の港では、朝から流れ着いた木やゴミの撤去作業が行われていました。転覆したプレジャーボートに、港に横たわる大木。台風の爪痕が残されていました。

 牡蠣の養殖が盛んな鳥羽市浦村町では、養殖筏の上に設置されていたはずの作業小屋が流され、今にも沈みそうな状態に。

 再び流されて筏にぶつかると、牡蠣が痛んだり海中へ落ちたりするなどの二次被害が出るといいます。筏の牡蠣の状況を聞きました。

浜英水産の浜田さん:
「ちょっと波で落ちたかなという感じかな。でも大丈夫そう。お盆明けから結構水温が高くて、水温が高いと台風も来て、ダブルパンチで。牡蠣は死んじゃうし、大きくなってきたのが台風で落ちちゃうし」

 台風の猛威は世界遺産も襲いました。三重県熊野市の花の窟神社では、多くの倒木が発生し、鳥居が倒れるなどしていて、16日は朝から関係者が片づけに追われました。

 ご神体の岩と木の間に渡した「お綱」も、強風の影響で切れていました。

神社の関係者:
「お綱が切れてしまったんで、観光客の人にとってはちょっと残念かなと。新しくお綱をかけるんですけども、それまではお綱がないので」

 本来は海水浴客で賑わうはずの、津市の御殿場海岸では電柱が根元から折れ、海の家のトタン屋根も飛ばされていました。

 この海に7月8日にオープンした、広さ3千平方メートルの「海上アスレチック」も被害を受けていました。

FAMIEの若林さん:
「(台風6号の時に)遊具はすべて撤去して、ネットを張って土嚢を置いて対策はしていたんですけど、浜の方まで波がきてしまって、遊具の上に砂がすごくたまっている状態」


 観光客や子供達に大人気の海上アスレチックですが、先週、沖縄や九州地方を襲った台風6号の影響で、全ての遊具が海岸に打ち上げられました。

 営業再開に向けて復旧作業をするまでの間、海岸に避難させていましたが、その矢先、台風7号の影響で予想以上の波が押し寄せ、遊具が破れるなど被害が出ました。

FAMIEの若林さん:
「遊具自体は60個くらいあったんですけど、3分の1くらいは破れてしまったり穴が開いてしまったり、ショックですね。この時期にこんなに台風が立て続けにくるとは思っていなかった」