9日、名古屋市が石川県七尾市へ保健師を派遣するなど、東海地方からの支援も本格化しています。名古屋市は今後、東日本大震災で培った『まるごと支援』のやり方で、被災地を支援する方針です。

 大規模な火災で200棟以上が焼失した石川県輪島市の観光地「朝市通り」で9日、大規模な捜索が行われました。

 捜索は100人規模で、岐阜県警から派遣された警察官の姿も確認できました。スコップで灰を取り除くなどして、安否不明者につながる手がかりを慎重に探し出します。震災から9日、死者の数は200人を超えました。

【動画で見る】“まるごと支援”の方針…能登半島地震で被災した七尾市に名古屋市が職員を派遣 受け入れ態勢などに課題も

 東海3県から被災地を支援する動きも本格化してきています。

 9日朝、名古屋市役所を出発した市の健康福祉局の保健師ら5人は、七尾市で避難所や被災者の住宅を回って健康相談などにあたります。

健康福祉局健康部の主幹:
「今後、災害関連死とか、災害をなんとか逃れたものの、その後に健康状態を崩す方もいらっしゃったり。名古屋市として援助するというかたちで、継続的なものを考えていきたい」

 石川県の発表では、七尾市は死者5人、全壊の住宅が225棟です。名古屋市によると、8日時点で市内ほぼ全域で断水が続き、2000人近くが避難所に身を寄せています。

 名古屋市は9日朝出発した保健師のほか、避難所の運営の支援などにも職員を派遣していて、今後も集中的・継続的に七尾市を支援する方針です。

河村名古屋市長:
「本市のこれまでの陸前高田市における『まるごと支援』、そして熊本地震の支援などで培ってきたノウハウを最大限発揮し、七尾市を全力で応援していかなければならないと思っております」

 名古屋市は、2011年の東日本大震災で、津波で壊滅的な被害を受けた岩手県の陸前高田市を支援しました。

 当時、画期的とされたのは、市役所の業務を「まるごと支援」したことです。

 医療・福祉などの住民サービスから、水道などのライフラインの復旧、復興のための都市計画の作成まで、のべ260人の職員を派遣し、現地の市役所を支援しました。

 ほかにも、修学旅行に行けなくなった子供たちを名古屋に招待するなど、草の根の交流が続いています。

 名古屋市は能登半島地震でもこの経験をいかし、七尾市を「まるごと支援」する方針で、飲料水7万リットル以上などの物資を届けたほか、既に10人以上の職員を派遣しています。

名古屋市職員:
「押しかけ支援ができる形にまで受け止めの水準を上げていただくように関わっているんですが、そこが今非常に苦しい状況です」

 9日に開かれた会議では、被災地の混乱が続き、支援受け入れの態勢が整わないなどの課題も報告されました。

 岐阜県は、最大震度6弱を観測した石川県中能登町の支援を担当しています。

中能登町の宮下為幸町長:
「業務が膨大となり、マンパワー不足が心配されております。息の長いご支援をお願いいたします。どうかよろしくお願いいたします」

古田岐阜県知事:
「長期戦も含めて、岐阜県の総力を挙げてご支援申し上げたい」

 9日午後2時から県庁で開かれた会議には、宮下為幸町長がオンラインで参加し、罹災証明書の発行やごみ処理、除雪対応などへの支援を求めました。