岐阜県岐阜市の長良川に、鵜飼のオフシーズンの目玉にしようと、2024年2月1日にオープンした釣り堀から、約3000匹のニジマスが流れ出ていたことがわかりました。ニジマスは外来種で、長良川のアユへの影響が懸念されています。

 岐阜市の清流・長良川の鵜飼船乗り場にできた釣り堀「アングラーズ・フィッシングパーク・ナガラ」。

 ニジマス約1万1600匹を放流し、長良川鵜飼のオフシーズンの観光の目玉にと、網を張って2月1日にオープンしました。

 しかしちょうど1カ月が経った3月1日、看板には営業休止の文字が書かれ、釣りをする人はなく、網を使ってニジマスを追い込み、タモ網で捕獲する人たちの姿も見られました。

【動画で見る】アユへの影響懸念…鵜飼オフシーズンの目玉にと作った釣り堀から外来種のニジマス約3千匹が流出 岐阜・長良川

漁業関係者:
「2月19日の大雨で、限界を超して魚が流出することになった。そのために今は営業を中止して回収作業をしている状況です」

 原因は2月の長雨です。暖冬に加え前線が停滞したため、2月中旬以降の長良川の流域の降水量は例年の2.4倍以上になり、この雨で雪解けも進んで増水しました。さらに網に穴があいたうえ、釣り堀を超える高さまで水位が上がったため、ニジマス約3000匹が流出しました。

 ニジマスは北米原産で、適切な管理が必要となる「産業管理外来種」です。ほかの魚などを食べ、清流・長良川のアユへの影響も懸念されるため、捕獲に乗り出しました。

 元々は3月末までの営業予定だった釣り堀が、予想以上に早く終わってしまったことに市民は…。

岐阜市民:
「ちょっと複雑かもしれないです。また同じようなことが起きたり、なにかしら自然によくない影響があるのであれば、ない方がいいのかなと」

別の岐阜市民:
「アユの生態系を変えるようなことがあれば、捕獲せないかんと思います。アユに影響がなければ差し支えないと思いますけど」

 思わぬ結果に、漁業関係者は…。

漁協関係者:
「管理上問題があったといえばあったかも分かりません、こういう結果になった以上は。だけど良かれと思って、地元の活性と子供たちに釣りを楽しんでいただく機会を提供したのに、こういう形になったのは残念な気持ちです」