名古屋と愛知県豊橋市を結ぶ国道23号「名豊道路」が、2025年3月8日に全線開通します。半世紀越しの夢の実現に、地元では観光客の増加などに期待が高まっています。

■名古屋ー豊橋の所要時間が短縮「1時間20分」→「1時間」

 名古屋と豊橋市を結ぶ国道23号「名豊道路」では、蒲郡市と豊川市を結ぶ最後の区間が開通し、ついに全線開通となります。

【動画で見る】72.7kmの全区間が“信号なし”に…名古屋と豊橋結ぶ国道23号『名豊道路』半世紀待ち望んだ地元の期待と心配

ドライバー:
「渋滞がちょっとましになりますよね。燃料代も、渋滞していたらアイドリングとかかかるから」

幸田町民:
「浜松に行く人はストレートに行けるからいいと思う」

道の駅「筆柿の里・幸田」では、利用者の増加を見込み、電気自動車の充電スポットを新たに設置しました。

筆柿の里・幸田の担当者:
「ここに休憩の方々に寄っていただいて、地元の農産物等を利用していただければ、地域振興になるかと思っております」

全線開通で、72.7キロの全区間が「信号なし」となり、名古屋と豊橋の所要時間は、およそ1時間20分から1時間になる見込みです。

■観光活性化へ期待の声…牛肉などサービスのプラン用意したホテルも

 名豊道路のインターからおよそ20分のところにある西浦温泉にある「ホテルたつき」では、全室オーシャンビューで三河湾の大パノラマが楽しめ、知多半島と渥美半島も一度に見ることができます。

ホテルたつきでは、全線開通を記念して特別なプランを用意しました。通常の料金で、地元のみかわ牛のメニューと、蒲郡で昔から食べられていたというお菓子をサービスします。

ホテルたつきの上野新吾社長:
「通常の会席料理にプラスいたしまして、みかわ牛を使った陶板焼き、油菓子というお菓子が地元の蒲郡で昔から食べられていたんですが、そのお菓子をつけて召し上がっていただこうと思っております。2000~3000円ぐらい割引した宿泊プランを作っております」

コロナ禍で減少した宿泊客がまだ回復していないことから、アクセス向上に期待を寄せます。

上野新吾社長:
「ようやく開通するということで。浜松までノンストップで通じる道路となります。浜松地区および静岡の遠州地区のお客さまが、非常に来やすくなるのかなと思っております」

■渋滞が増える?全体の半分以上占める「片側1車線」で懸念の声

 期待の声は、「2024年問題」の影響が続く運送業界からも上がりました。

全線開通で、片道20分から30分ほどの短縮が見込めることから、ドライバーの労働時間の短縮に期待を寄せます。

丸玉運送豊橋の玉山貴章代表取締役:
「本当に待ち望んでいた。労働時間の問題とか、休憩時間が確保できるとか、非常にありがたいこと」 

しかし、少し心配なこともあるといいます。

玉山貴章代表取締役:
「1車線の所で渋滞が度々起こるということになると、今描いているような時間で移動できない可能性も十分あるので」

全線開通となるものの、片側1車線の区間が全体の半分以上を占めていて、渋滞が増えるとの声もあります。今後は、車線を増やす工事も進められるということで、地元の期待は高まっています。