インタビュー

南沢奈央さんインタビュー

――作品の感想をお教えください。

新しいと思いました。ありそうでなかったテーマだ、と。アラフィフの女性が抱える問題を、ここまでリアルに描いていることがすごいですね。

――ドラマ自体、深刻なテイストではありませんが、それでいて実は深刻な題材も取り上げていますよね。

だからこそ、土井さんの身に起きる一つ一つの問題を考えさせられるんです。コキン法(男女雇用機会均等法)の歴史は、今回初めてちゃんと知った部分もあるので驚きましたし、勉強にもなりました。

――現在、20代半ばの南沢さんにも、響くものがありますか?

演じている梨々花の目線で見て、自分ならどうするのか? と思うことがありました。友達の中には就職だけでなく、結婚した子もいますし、もし子供が出来たら、そのまま仕事を続けるのか、それとも辞めるのかを考え始める年齢なので、梨々花世代の私たちにとっても、リアルな内容だと思います。

――ノンママ、ワーママという言葉を聞いての印象は?

私の母の世代は、働きながら子供を育てることが今よりもっと大変で、妊娠を機に仕事を辞めた人も多いと思います。"ワーママ"が少なく、ましてや"ノンママ"という考えもなかったでしょうし。今はいろんな生き方がある一方、女性って結婚している、していない、子供がいる、いない、といろいろなことで差を感じ、それがコンプレックスになっている人もいるでしょうから、ノンママ、ワーママという言葉で自分たちのことを分けているのかもしれないですね。

――主演の鈴木保奈美さんと共演していかがですか?

保奈美さんが演じているからこそ、強さを持ちながら心に秘めたコンプレックスを抱えている土井さんが魅力的に見えるのだと思います。女優としても素敵な方なので、保奈美さんのように年齢を重ねていきたいです。あの、ミーハーなことを言っていいですか(笑)。スタイルが良くて美しくて、『本当におキレイだな』とずっと思っていました。

――事務所の先輩・内山理名さんとの共演は久しぶりになりますか?

CMでの共演はありましたが、ドラマとなるとかなり久しぶりですね。理名さんに、梨々花に関するあるセリフがあって、それがすごく頼もしかったんです。『ああ、理名さんが先輩役で良かった!』と思いました(笑)

――梨々花に関して、最初はどんな印象を持ちましたか?

正直に言えば、『なんだ、この子は』と思いました。仕事に対する責任感とか、姿勢とか"イマドキの子"過ぎて、共感できなかったんです。でも、今回入念なリハーサルがあって、その中で梨々花がどう思って行動をしているのか、発言をしているのかをプロデューサーさんや監督さんたちと丁寧に作っていけたのです。そのおかげで、梨々花がただの無責任な子じゃなく、彼女は彼女なりに考えがあることだと理解できました。『あ、悪い子じゃないんだ』と。

――第1話で梨々花は土井に「ついていきます!」と告げましたが...。

そこから、いろいろあるんですよね(笑)。第2話は梨々花が土井さんを思いっきり振り回しますから。梨々花が土井さんの気持ちを大いにざわつかせると思います。ただ、梨々花の土井さんに憧れ、ついていきたいという気持ちに嘘はなかったはずです。それは梨々花を演じたからこそ、感じました。

――本作は50歳を迎える女性の生き様を描いていますが、南沢さんはご自身が50歳になったときのことなど考えますか?

いまの年齢の倍ですよね。まだちょっと...。子供の頃、自分がこの年齢になったら、こうなっているはず、と考えますよね。今の私は、当時思っていたのと全然違います。まず結婚している予定でしたから(笑)。だから50歳の自分は...。想像つきませんが、結婚して子供がいるといいですね。幸い、私の仕事を家族も応援していてくれて、『早く子供を生んでくれたら、私たちもサポートするよ』と言ってくれています。その期待に何とか応えたいんですけど(笑)

――最後に南沢さんの同世代の皆さんを始め、視聴者の方にメッセージをお願いいたします。

私がこの作品に携わり感じていることは、今後の生き方にいろいろ影響を受けそうだな、と言うことです。社会的なテーマを扱っているし、その中に"今のリアル"が散りばめられているので。私は梨々花を演じて、自分が好きなことをやればいいということではないと思ったんです。第2話の梨々花を見て、視聴者の皆さんもきっといろいろな感想を持つでしょうし、それは全話を通し言えることです。『自分なら...』と考えることを楽しみながら、ぜひ『ノンママ白書』を最後まで見ていただきたいです。