名古屋大学など7大学が腹膜転移を伴うすい臓がんの新たな治療法を共同で考案し、臨床試験を進めています。

 名古屋大学や関西医科大学など7つの大学が発表したのは、臓器を覆う腹膜への転移を伴うすい臓がんの新たな治療法です。

 すい臓がんは消化器がんの中でも早期の発見が難しく、年間およそ4万人の新規患者のうち7~8割の患者に他の臓器への転移などが見られ、重症化しているといわれています。

 また、他の臓器へ転移がある場合には切除手術ができないため、5年生存率は1割程度と治療が難しいがんです。

 今回考案された新たな治療法では、腹部に直接抗がん剤を投与することで腹膜転移したがんとすい臓がんを小さくし、切除手術ができるようになるということです。

 臨床試験では、患者の1年生存率が6割まで上がり、13%の患者がすい臓の切除手術を受けることができたため、完治が難しいとされるすい臓がんへの有効的な治療法として期待されています。

 名古屋大学などは今後さらに臨床試験を続け、実際の医療現場での導入を目指すということです。