持病の悪化から辞任を表明した安倍総理大臣は、2012年の第2次安倍政権発足以来、東海地方にも何度も足を運んでいます。

 中でも、2016年のG7先進国首脳会議は、総理の肝いりで三重県の伊勢志摩で開催することになり、安倍政権最大の外交舞台となりました。東海地方と安倍総理のゆかりを振り返ります。

 28日に官邸で記者会見し、辞任を表明した安倍総理大臣。2012年の総理就任以来、年頭の伊勢神宮参拝など、東海地方にも足を運んでいます。中でも…。

安倍総理:
「来年のサミットは、三重県で開催することを決定いたしました。伊勢志摩サミットです」

2016年5月、三重県で開かれた「伊勢志摩サミット」。アメリカのオバマ元大統領など、先進国主要7か国のトップが一堂に会し、安倍総理にとっても最大の外交舞台でした。

 近鉄賢島駅の2階にある記念館「サミエール」には、サミットで首脳たちが座った円卓などが展示され、首脳たちが映った等身大のパネルもあります。その真ん中には笑顔の安倍総理の姿が写っています。

当時、地元の自治会連合会の会長などを務めていた山崎勝也さんが、安倍総理が視察に訪れたときのことを振り返りました。

サミエール案内人の山崎勝也さん:
「『志摩市、県民の皆さんの温かいご協力をいただいて、順調に進んでいる』と言葉をもらって。2ショットの写真も気軽に撮ることができて。サミットが終わった後の、いわゆる経済効果は相当。外国人の方が非常に多かったです」

伊勢志摩を世界的な観光地にした「伊勢志摩サミット」。安倍総理との大きな縁です。

 一方、愛知県瀬戸市にも、安倍総理とゆかりのある場所があります。瀬戸市で食品用のパッケージなど、特殊な印刷を手掛ける会社です。実は安倍総理、2年前にここを訪れています。

国の助成金を受けて、革新的な印刷技術を開発した現場を視察しました。

富士特殊紙業の杉山真一郎社長:
「非常に気さくな方でしたね。本当ににおいが少ない印刷だね、ということはおっしゃっていただきましたね」

さらに、女性活躍の視点から、会社の敷地内にある保育園にも足を延ばした安倍総理。

杉山社長:
「お座りになって、子供目線で握手をしたり、語りかけたり。普段、テレビでは見ない笑顔でしたね」

普段接することのない園児たちとの触れ合いは、総理にとっても新鮮だったようです。

そんな総理の突然の辞任表明。杉山社長は…。

杉山社長:
「もうしばらく、やってほしかったというのが本音ではあるんですけども、ただ、本当に長い間お疲れ様という風に思っております」

 東海地方の縁はこんなところにも…。歴代総理の似顔絵が描かれた、こちらの「湯呑み」。作っているのは、岐阜県土岐市にある陶磁器を製作する会社です。勿論、安倍総理の顔も描かれています。

ちなみに、安倍総理のお爺さんである岸信介元総理の顔も、1つの湯呑に並んでいます。

山志製陶所の加藤晃一さん:
「これでお茶を飲めば、歴代の首相が覚わるんじゃないかという発想です」

加藤さんは、安倍総理の辞任表明について…。

加藤さん:
「このまま継続して続けられるのかなと思っていたので、ちょっとびっくりしました」

驚いた一方で、加藤さんが気になるのは、「安倍総理の後に描く顔」はいったい誰になるのか。そこで、こんな視点で加藤さんに次の総理について聞いてみました。

Q.どなただと一番描きやすいですか?

加藤さん:
「描きやすいのは石破さんかな。ちょっと悪役っぽく描けば…」

後継候補に急浮上した、菅官房長官ついては…。

加藤さん:
「石破さんの次に描きやすいのが、菅さんかなと思っております。やってみないとわからないですけど」