自民党総裁選の行方次第で、歴代首相の似顔絵が入った『湯呑』もデザインが変わります。岐阜県のメーカーでは早速準備が進んでいました。

 8日、歴代首相の似顔絵入りの湯呑をつくる土岐市の山志製陶所を訪ねました。自民党の総裁選が告示され、新たな似顔絵も3人の候補に絞られました。

山志製陶所・加藤晃一社長:
「(Q.告示を受けての心境は?)早く決まって、早く新しい首相入りの湯呑を発売したいなという感じ」

 湯呑もおよそ7年9か月ぶりの新作になるとあって、創作意欲が高まっている様子ですが、すでにイラストの準備は進めているとのことで、今回特別に仮のデザインを見せてもらいました。

すると、安倍首相の次に描かれていたのは、菅官房長官の顔。

加藤社長:
「ハハハ、『仮』です」

 仮のデザインに描かれていたのは、菅官房長官の似顔絵ですが、他の2人のイラストも準備しているのでしょうか。

加藤社長:
「菅さん一本で、ほかの人は輪郭すら描いていません。報道でしか情報が入ってこないので見てると圧勝みたいな、ですよね?」

 なんと、今回は菅官房長官一本で準備を進めるといいます。しかし、何が起こるかわからないのも選挙。

 2011年、当時の民主党代表選挙で野田元首相が選ばれた時には…。

加藤社長:
「2つ顔を用意してたら違う人になったっていうことはありました。前原さんと海江田さんで準備してたら野田さんになったっていう。大慌てで、この日のうちに作った覚えがあります。徹夜に近いところで」

加藤社長:
「(Q.今回もし菅さんが落選となったら?)テレビ局さんに責任を取っていただきたい」

 先代の社長からおよそ45年に渡り続いているこの湯呑みの製作ですが、実は今回の首相交代とあわせてある変化が…。

加藤社長:
「息子がやったんですけどね。もうちょっと引退してあなたに任せるっていうふうに」

 1994年から26年にわたり12人の歴代総理を描いてきた加藤さんが引退し、息子の貴仁さん(28)に似顔絵の描き手が交代します。

貴仁さん:
「デビュー作じゃないですけど、いつかは代わるときが来るから早速やってみなよという話で。目じりのしわとか眉毛とか意識して描きました。満足はしています。初めてにしては良く描けたんじゃないかなと」

 似顔絵は、このあとも色合いなどを微調整して週明けには生産に入り、首相が決まる予定の9月16日頃には店頭に並べられるよう準備を進めていくということです。