
愛知県警豊田署は、高齢者らに食品を配達する業者と連携し、特殊詐欺への注意を呼びかける取り組みを始めました。
豊田市やみよし市などで宅配サービスを提供する「メグリア」は豊田署と連携して、4月1日から配達員が食品を届ける際にシールを一緒に手渡しています。
配布するシールは特殊詐欺の電話への注意を呼び掛けるもので、「本当に 信じていいの この電話」という標語や、豊田署の電話番号が記載されています。
「私も詐欺の対象ですね」。1日、利用客の馬場洋子さん(79)はこう話しながら、配達員から渡されたシールを自宅の電話機やスマートフォンに早速貼っていました。
実は馬場さんは、過去複数回の無言電話や「息子が宝くじに当たったから家を建てないか」といった不審な電話を受けていました。
馬場さんは「私は大丈夫と思っているけど、そういう人が引っかかると聞くので気を付けたい」と気持ちを引き締めていました。
豊田署管内では、特殊詐欺の被害や詐欺の予兆電話が増加傾向にあり、今年に入って特殊詐欺の被害は15件発生し、このうち9件が警察官を騙る手口でした。
豊田署の馬込貴之生活安全課長代理(41)は、「豊田警察署の警察官だと言われても簡単に信じずに、一旦電話を切って署に連絡してもらうか、家族や友人に相談してほしい」としています。
メグリアは配達員による手渡しのほか、豊田市内のデイサービス施設でもシールを配布し、特殊詐欺への注意を呼びかけていくことにしています。