新型コロナのワクチン接種が本格化する中、言葉の壁などから予約のとり方などで困っている外国人が多くいます。そんな人達を手助けしようと、学生たちが一肌脱ぎました。

 愛知県豊田市の保見団地にできた日系ブラジル人と日本の学生の輪。

白石マサハルさん:
「本当に難しいだもんなあ。日本語読めない、書けないだから」

 みんなで取り組むのは、新型コロナワクチン接種の予約です。

吉村さん:
「難しいよね。住所書くのも難しいよね」

 中心にいるのは、中京大学4年生の吉村迅翔さん(21)。もともと、この団地に住む高齢者の生活を支援するボランティア活動をしていました。

 活動する中で、「日本語が読めないのでワクチン接種の予約をとれない」という声を多く聞き、手続きなどを手伝うことにしました。

吉村さん:
「最初は集団接種開始の時に合わせて、75歳以上の高齢者の方のドアポストに(チラシを)入れて回ったんです。たまたま会ったブラジル人の方もやっぱり困っている、言葉の壁があるので」

 1990年代の初め頃、自動車産業の担い手として多くの日系ブラジル人が住みはじめ、「出稼ぎの街」とも呼ばれた保見団地。今も色々な国からの人が生活する国際色が豊かな団地です。

 皆さんが日本にやってきたのは25年ほど前。ほとんど漢字を読むことが出来ず、書類にカタカナで書かれた「コロナワクチン」の文字から、それが接種券だと推測したといいます。

 予診票は、吉村さんの質問に答える形で埋めていきます。

吉村さん:
「(予診票の)字だと、漢字とかで読めないんですけど、言葉だと上手に話してくれるので。日本語でね」

 外国人が多く住む豊田市では、ホームページにひらがなやポルトガル語などの予約マニュアルを掲載しています。しかし、見られる環境にない人も多いのが現実です。

 予約を取るために使ったのは、学生たちのスマホ。

白石マサハルさん:
「本当に難しいな。僕たちにはできいないよ。これ(ワクチン)本当に打ちたいと思ったけど、安心した」

鳴海ノボルさん:
「全部書いてくれると、すごいありがたいですよ」

吉村さん:
「日本人とブラジル人、境なしに高齢者の方々へのお手伝いということで、どんどんやっていきたい」