新型コロナの感染後、重症化の予防が期待される「抗体カクテル療法」。以前は入院患者向けでしたが、徐々に投与の機会が広がっています。岐阜県の病院で、外来でも治療をスタートしました。

 岐阜県笠松町の松波総合病院。タブレット越しに医師の問診を受けるのは、新型コロナウイルスに感染し、自宅療養をしていた50代の女性です。宿泊療養施設に入るのを前に、外来で訪れていました。

 受けている治療は、2種類の抗体を合わせた薬を軽症の患者などに点滴投与する抗体カクテル療法です。

松波総合病院の病院長代理:
「ウイルスの増殖を抑制化し、その結果すでに海外の報告にもあるが、患者の重症化を抑制し、症状がある期間を短縮するという効果があります」

 比較的症状の軽い患者への投与で重症化を防ぐ効果が期待される、抗体カクテル療法。松波総合病院では、これまで入院患者の治療法として取り入れていましたが県内では重症患者が急増し、軽症者の入院が困難になっています。県からの依頼もあり、8月30日からは外来での治療を始めたといいます。

(リポート)
「こちらの病院では、離れにある専用の部屋で治療が行われます」

 病院棟とは分離したコンテナ型の完全個室が治療部屋です。点滴にかかる時間はおよそ30分。投与が問題なく終わっても、1時間ほど経過観察して、頭痛などの副反応がないか確認します。

 治療を受けた女性はこの後、県が用意した車で宿泊療養施設へと向かいました。

病院長代理:
「どの患者さんも、皆さん入院して治療を受けられるのが理想なんですが、なかなか病棟に余裕がない。積極的に外来で治療して、重症化させないようにできたらいいなと思います」

 デルタ株にも効果があるとされる抗体カクテル療法。重症化を抑え、ひっ迫する医療の改善につながることが期待されます。