9月4日、高卒ルーキーながら1軍デビューを果たした中日・土田龍空。その守備力は目を見張るものがある。

 今季ウエスタン・リーグでショートとして64試合に出場し、守備率は.962を記録。262の守備機会で失策は10個。

 今や球界を代表するショートとなった巨人・坂本のルーキーイヤーは、イースタン・リーグでショートとして70試合に出場し、311の守備機会で失策が13個、守備率は.958だった。土田は同じ高卒のルーキーイヤーで比較すると、当時の坂本を数字で上回っている。

 一方、打撃面に目をやると、土田はここまでファームで191打数45安打で打率.236、当時の坂本は302打数81安打の打率.268と少し及んでいない。しかし、土田の数字も高卒のショートとしては十分に及第点と言えるだろう。

 9月12日のヤクルト戦では、セカンドで1軍初先発のチャンスをもらうも、先頭バッターのゴロをエラーし、それを引きずったのか、この日は2三振に2つのエラーでお役御免となった。

 しかし、プレーを見る限り闘争心に満ちていて、今後に期待してくれと言わんばかりの表情だった。ファームで残した数字が示すその守備力を武器に今後の飛躍を楽しみにしたい。

 余談だがこの土田、プレーヤーとしては巨人・吉川尚輝タイプ。同じ右投げ左打ちで、守備力の高さに加え俊足の好打者という点、そして、土田が身長179センチ、体重77キロ。吉川が身長177センチ、体重78キロという点でも。おまけに顔も似ているような…。

 そんな吉川は昨季プロ4年目にして初めて1軍でレギュラーの証しと言える規定打席をクリア。セカンドとして104試合に出場し、428の守備機会で失策はわずかに3個、打率も.274を残した。

 中日のチーム状況を見ると土田も今後セカンドを守る機会が多いと予想される。走攻守全てで吉川の成績を超える日が近い将来訪れることを信じ、中日ドラフト3位ルーキー土田龍空に注目していきたい。