新型コロナで学生生活が一変した若者たちが、政治に声を届けるため「一票の大切さ」を知ってもらうと動き出しています。

 愛知県大府市にある至学館大学で21日、学生たちが作っていたのは衆議院選挙の期日前投票所です。5年前から始まった取り組み、狙いは若者の投票率を上げたいという思いです。

大学4年生:
「社会人になってこれからを背負っていくのに、若い人たちが選挙に行かないと」
「1票でも私たちの声が反映されるような社会になればいいかな」

 大学内で投票所の設置を発案した越智久美子准教授は…。

至学館大学の越智准教授:
「若者の年代の人たちが、自分の意見をのびのびと発言できる場、発表できる場というのが多い社会になってほしい。投票というのも、自分の思いを伝えるという第一歩の行為だと思っています」

 選挙権が18歳からに引き下げられた2016年以降の国政選挙の投票率は、全体では50%前後の推移ですが、10代・20代はいずれも大幅に低いことがわかります。

 この投票所は学生が運営も行い、コロナ対策も徹底しています。開設されるのは1日のみですが、過去の選挙には学生など70人ほどが利用したこともあります。

「投票へ行こう」と書かれた自作のチラシ。大学内で配って投票を呼びかけます。

チラシを受け取った学生:
「(選挙に行ったことは)ないです。学校でできるなら、少しは考えようかなと思います」

 学生たちが今、政治に求めることは…。

大学4年生:
「コロナ禍で大学生活がうまく送れなかった学費の補助だとか」
「(部活の)練習試合とかなかなか行けなくて。コロナ禍でも遠征とかに行けるような制度を」

 一方、岐阜県下呂市。

 22日午後2時半ごろから、選挙管理委員会の職員が期日前投票所を設置したのは、高校の中。普段は教室として使われています。

「高校生が身近に投票できる環境を」と、1日限定で設置されました。

投票した高校生:
「日本のために頑張ってくれるように、この人にした方がいいなと思って選びました」
「コロナとか収まってから、自分たちが生きやすいような社会になってくれればいいかなと考えます」

 コロナ禍で一変した学生生活、さまざまな思いを乗せ一票を投じます。