愛知県豊橋市発祥の人気のチョコ専門店「久遠チョコレート」の全国30店舗目の店が、名古屋市緑区に誕生しました。

 新しいお店は「発達障害などの子どもの将来のために…」そんな思いが込められています。

客:
「インスタに載せたいから。めっちゃ素敵ですよね」

別の客:
「おいしいです。しっかり抹茶の味がして」

 カラフルでかわいいと女性や若者に人気の「久遠チョコレート」。名古屋市緑区・滝ノ水で新しい店舗がプレオープンしました。

 北海道から鹿児島まで全国で30店舗目、名古屋では3店舗目です。人気は「QUONテリーヌ」。世界各地のカカオにフルーツやナッツなど練りこんでいて、その組み合わせは150種類以上になります。

久遠チョコレートの代表:
「凸凹した色んな人たちが働きたいと思ったりチャレンジしたいと思ったら、どんなみんなだってチャレンジできる、そんな灯台みたいなお店になってもらえたらいいなって思っています」

 久遠チョコレートは愛知県豊橋市に本店があり、全国のスタッフおよそ550人のうち350人が心や体に障害がある人。残りの100人が子育て中の母親や引きこもり経験者、LGBTQの人たちなどです。

 混ぜるのが得意な人、チョコを付けるが得意な人、飾りつけが得意な人、それぞれの工程を受け持ち1つの商品を作り上げます。

 今年6月には、重度障害の人が働く工場「パウダーラボ」がオープン。なかには「壊す」ことが得意な人もいて、チョコに混ぜるお茶や果物を粉砕する仕事を任されています。

 福祉施設から入社した荒木啓暢さんは、集中力が続かずにあちこち移動してしまい、うまく働けませんでした。しかし2か月後には、職人のようにお茶の粉末を作れるように。そのほうじ茶のチョコはとても香りが良く、今や全国的なヒット商品です。

久遠チョコレートの代表:
「どれだけ障害が重たくても、価値ある働きとか尊厳ある就労っていうのはできるんじゃないかと。そこを模索しないとけないと思っています」

 名古屋滝ノ水店は、障害児を支援する会社がフランチャイズ店として10月28日、プレオープンさせました。

滝ノ水店を運営する(株)SENSEの社長:
「障害だから健常だからではなくて、一般的に仕事がしたい気持ちを、トライをする挑戦できる環境を1つでも多く、選択肢を増やしたい」

 運営会社は発達障害・知的障害児の放課後デイなどを事業展開。子供たちの将来の働ける場所を増やしたいと久遠チョコレートに参加しました。

 障害がある人は、特別支援学校を卒業しても一般企業に就職できるのは4人に1人。残りの人は福祉施設や自宅などで過ごし、「働きたい」と思っても仕事の選択肢が十分でないのが実情です。

 名古屋滝ノ水店の新人スタッフ、毛利美佐子さん(30)。生まれつき足が不自由で福祉施設にいましたが、手作業ならできると新しいチャレンジです。

毛利さん:
「私もチョコレートが好きなのでやったみたい」

 滝ノ水店では障害のあるスタッフ15人が働く予定で、30日にグランドオープンします。