3年前、猛スピードの乗用車がタクシーと衝突し、5人が死傷した痛ましい事故で、遺族らが乗用車の運転手などに1億4000万円余りの損害賠償を求めた民事裁判が、11日に判決を迎えました。

 3年前の12月、津市の国道を時速146キロの猛スピードで走行する白い乗用車。この直後、国道沿いの店から出てきたタクシーに衝突し、乗客の大西朗さん(当時31)ら男性4人が死亡、1人が重傷を負う惨事へとつながりました。

 乗用車を運転していた当時IT会社経営の末広雅洋元社長(59)は、今年2月に過失運転致死傷の罪で懲役7年の実刑判決を受け、服役。一方、婚約者を含む大西さんの遺族らは末広元社長などを相手取り、およそ1億4400万円の損害賠償などの支払いを求め民事裁判を起こしていました。

 刑事裁判に続く民事での争い。これまでの裁判で、末広元社長は答弁書を通じて過失は認める一方、賠償額については争う姿勢を示し、請求の棄却を求めていました。

 11日の判決で、津地裁は「末広元社長には制限速度を大幅に超過するなどの過失があった」と指摘。一方で遺族らが総額1億4000万円余りを求めていた賠償額は、慰謝料など合わせて7536万円余りの支払いを命じました。

 判決を聞いた大西さんの遺族は…。

大西さんの母・まゆみさん:
「厳しい判決やったなって。判決で認められないという、そういう辛さというのをやっぱり今日感じました」

大西さんの婚約者・牛場里奈さん:
「金額とかじゃないんですけど、私の人生ってこれ位の値段なのかなみたいな。本当やったら、結婚して子供が生まれてとか幸せな生活をこれからしようって」