19日夜は日本全国で、月の大部分が地球の影に隠れる『ほぼ皆既月食』を見ることができ、その月食の様子を楽しもうと、三重県松阪市で月の観賞会が行われました。

 三重県松阪市のスポーツ施設の駐車場では、19日の午後5時半ごろから、地元の小学生と保護者らおよそ30組が集まり、月食の観賞会「観月会」が開催されました。

『ほぼ皆既月食』について、鑑賞会の案内人、三重大学付属小学校教諭で、JAXA宇宙教育リーダーの前田先生に聞きました。

 月食とは、太陽・地球・月が一直線に並んだ時にできる地球の影の中に月が入り込むことで、月が欠けて見えるというものです。月が地球の影に入る割合を食分といい、今夜はその食分が最大で0.978、約98%が影に入るということです。(100%であれば皆既月食)

 前田先生の解説と共に楽しむ鑑賞会は今年5月の「皆既月食」の時も開かれる予定でしたが、新型コロナの影響で中止になりました。今回は三重県内の感染者も落ち着いていることから、参加者同士の距離を取るなどの感染対策を取ったうえでの開催となりました。

 今回の月食のポイントの一つは月の「色」。月全体が隠れる皆既月食の場合は、月の色が「赤銅色(しゃくどういろ)」という暗い赤色に見えます。

 19日は午後5時ごろから、肉眼でもしっかりと見えるような月が現れ、午後6時過ぎには、望遠鏡を使って子供も大人も興奮しながら鑑賞を楽しみました。月食を鑑賞した子供たちは…。

月食を鑑賞した子供たち:
「とてもきれいだった」
「暗いところが赤かった」
「ちょっと雲がかかっていて残念だったけど、きれいに見えて良かったです」

前田先生:
「見えたり見えなかったりで、大変奥ゆかしい月だなと思って見ています。月の色は赤っぽい色で赤銅色と言ったりしますが、この時間(午後6時過ぎ)もそのような色で見えています。(色は)今回、当日まで分からないということでみんな注目していたんですけども、私自身もびっくりしております」

 次に『ほぼ皆既月食』を全国で見ることができるのは2086年で、65年も先だそうです。