16日未明、南太平洋・トンガ諸島で発生した大規模な噴火で、日本各地で津波警報や注意報が発表されました。東海地方でも、60センチの津波を観測した三重県鳥羽市で、養殖カキのいかだが流されるなど被害が出ています。

 トンガ諸島で起きた大規模な海底火山の噴火により、気象庁は16日午前0時すぎ、愛知と三重の沿岸部にも津波注意報を発表しました。

 その後、愛知県田原市と三重県鳥羽市で60センチ、名古屋市でも20センチなど、各地で潮位の上昇が観測されました。

 東海地方では、鳥羽市や志摩市などで一時住民が避難したものの人的被害はありませんでした。

 しかし、60センチの津波が観測された鳥羽市浦村町の生浦湾では、特産のカキの生産に必要なおよそ500台の「養殖いかだ」が流され、一部ではいかだの骨組みが折れるなどしました。

いかだで養殖をしている人:
「今年はコロナの影響もあって浦村カキは8割くらい今年死んじゃって、だいぶ被害がある中でこの津波でもっとすごい大打撃で、みんな大変な状態ですね」

 多くの養殖カキに被害が出ているとみられ、18日以降にダイバーが潜水して、いかだを固定するロープを元に戻すということです。

いかだで養殖をしている人:
「来年の種ガキまで被害が出ているんで、ちょっと来年もまた心配で大変ですね。県も漁連も何かしら補助なり助けていただくとすごい助かるんですけど」

 40センチの津波が観測された尾鷲市の尾鷲港では16日午前10時ごろ、全長およそ7メートルの小型船1隻が転覆しているのが見つかりました。尾鷲海上保安部によると津波の影響で転覆したということです。

船の所有者:
「電話もらって『ひっくり返っとる』と言われて、慌てて飛んできた。あんな遠い所で起きた火山の影響で、こんな事にもなるんやなって」

 気象庁は「当面、普段と違う海流の動きが予想されるため、海中での作業や海のレジャーには注意が必要」と呼びかけています。