
4年前、三重県で県立高校に通う男子生徒がいじめを受けて自殺した問題で、県は17日、遺族の意向を受けて新たに一部の加害生徒への聞き取りをした再調査の結果を公表し、改めていじめと自殺の因果関係を認めました。
県によりますと、県立高校の当時1年生の男子生徒(当時16)は4年前、部活動の上級生らからLINEで「カス」と書き込まれるなどのいじめを受け、自殺しました。
2年前、県の第三者機関は、上級生3人と同級生1人からのいじめと自殺の因果関係を認定しましたが、加害生徒に聞き取りをしていなかったことから遺族が再調査を求めていました。
17日に公表された再調査の報告書では、新たに一部の加害生徒への聞き取りを実施したものの、男子生徒の自殺との因果関係が認められたいじめについては、前回と同じ6件にとどまりました。
再調査にあたった庄山哲也弁護士は、遺族から「3年半も経過してしまった。年月が経てば経つほど真実が見えにくくなる」などと指摘されたことを明らかにした上で、再調査の結果について「遺族から明確な形での感謝の言葉はなかった」と話しました。
この問題を巡っては、遺族が県と生徒4人を相手取り、およそ7400万円の慰謝料などを求める裁判を起こしていて、県などは争う姿勢を示していますが、一見知事は「今日の段階でのコメントは差し控える」としています。