ロシアの軍事侵攻が始まり、24日で1か月となりました。ウクライナから日本に避難し、名古屋で新しい生活を始める人がいます。

 25日午後、港区の名古屋出入国在留管理局を訪れた、ウクライナ人のマリーア・サルクさん(71)と娘のスイトラーナさん(41)。

 マリーアさんは、ウクライナ西部の地方都市・テルノーピリ出身で、娘を頼って3月16日に来日しました。

 その後、名古屋市内のスイトラーナさんの自宅で1週間の隔離生活を送り、24日にようやく外に出られるようになりました。そして25日…。

娘のスイトラーナさん:
「今日はお母さんのビザを取りにきました」

 マリーアさんが来日前に隣国のポーランドで取得した在留資格は、90日間の「短期滞在」ビザ。このビザでは、就労や健康保険の加入が認められません。

 しかし、日本に避難したウクライナ人のために政府は15日、「短期滞在」ビザから、希望すれば働くこともできる「特定活動」ビザへの変更を受け付けると発表しました。

「特定活動」ビザでは1年間滞在でき、その後も更新ができるほか、健康保険も加入できます。

マリーアさん
「日本政府にとても感謝してます。とても生活しやすくなる」

 名古屋入管で手続きに訪れたマリーアさん。その2時間半後…。

娘のスイトラーナさん:
「取れましたよ」

 手には母マリーアさんの「在留カード」が。

娘のスイトラーナさん:
「時間がかかると思ってたけど、まさか今日もらえるとは思わなかった」

 本来、発行までに1週間程度かかるといいますが、即日で発行されました。今回、マリーアさんは働く予定がないため、就労の選択をしなかったといいます。

娘のスイトラーナさん:
「これから区役所に行って住民票をとって、国民健康保険に入れる」

マリーアさん
「安心しました。感謝しています」

娘のスイトラーナさん:
「戦争はまだ終わってないけど、日本にいる間は安心して、お母さんにゆっくりしてほしい」

 住み慣れない土地で言葉も通じない生活…。不安も多いものの、日本での新しい生活が始まります。