北海道・知床半島沖で起きた観光船遭難事故では、これまでに発見された11人の死亡が確認されています。名古屋の観光船の安全対策はどうなっているのか取材しました。

 23日、知床沖で観光船「KAZU1」が浸水し遭難した事故では、これまでに乗客・乗員26人のうち、3歳の女の子を含む男女11人の死亡を確認。

 また54歳の船長は2021年6月に座礁事故を起こし、業務上過失往来危険の疑いで書類送検されていたなど、今、観光船の安全管理が改めて問われています。

 名古屋港を運航する「名古屋マリンライダー」。栄と名古屋港を結ぶ水陸両用バスとして、2021年秋に運航を開始した、家族連れに人気の観光船です。

 25日は社員など15人ほどが参加し、機械のトラブルでエンジンが止まってしまった想定で訓練が行われました。ロープを救助にきた船に向けて投げたあと、結びつけて引く手順や、ロープを使って人力でバスを引き上げる動作を確認しました。

 知床の事故の前から予定されていたという訓練。

鯱バスの取締役:
「やはりやってみて安心感というのも感じましたので、こういったことを継続してやっていくことによって、皆さま方に安全をお届けできるかなと思っております」

 2021年秋に運航を開始した名古屋マリンライダーでは、定期的に非常時を想定した訓練を行うほか、毎週運休日にはバスや設備の点検を実施しているといいます。

 さらに…。

鯱バスの取締役:
「風速8m/s以上になるとき、波の高さが0.5m以上となった場合には運航を中止しております。海の状況を全部確認しまして、それで異常がなければ運航させるという判断をしております」

 独自の基準を元に、すべての便の前に安全に運航をできるかを確認。さらに、船長ひとりだけではなく、名古屋港に置かれている風速計を常に監視している職員など複数人で話し合い、判断をしています。

鯱バスの取締役:
「(知床の事故を受け)改めて、船長・運航管理者に基準の徹底を進めていく」