名古屋入管で収容されていたスリランカ人女性が死亡した問題で、遺族が国に対し損害賠償を求めた裁判が始まりました。

 スリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)は5年前に来日し、その後不法残留で名古屋入管の施設に収容中、体調の悪化を訴え、2021年3月に亡くなりました。

 遺族は2022年3月、入管がウィシュマさんの体調が悪化しても収容を続けたうえ、必要な医療を提供せずに死亡させたとして、国に対して計約1億5600万円の損害賠償を求める訴えを起こしていました。

 6月8日、名古屋地裁で第一回口頭弁論が開かれました。

 ウィシュマさんの妹のポールニマさんは、「姉は衰弱し何度も点滴を求めたが、職員は聞き入れなかった。なぜ死亡したのか、理由を明らかにしてください」と法廷で訴えました。

妹のポールニマさん:
「裁判官の前で私の考えを伝えられたので、裁判官のことを信じています。姉の死の真実を裁判官に知ってもらえると思っているので、正しい判決を出してもらえるとすごく信じております」

 国側は請求の棄却を求めていますが、遺族側が求めている収容中のウィシュマさんの様子を映したビデオ映像の提出については、「検討を進めていて次回の期日までに何らかの意見を明らかにする」としています。

 次回の裁判は7月20日に開かれます。